2009-11

作品一覧

 連載・短編作品一覧
 
 更新予告
 ◆『その優しい星で…』
 ⇒未定。
 
 ◆『背徳の炎』
 ⇒一時凍結中。再開は年内予定。
 
 ◆『B.A.C.K』
 ⇒連投予定。11月中にAct:6終了予定。
  11月25日(水)に更新予定。
 
 
 ○報告
 ただいま特になし。 
 

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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

なにはともあれ、マクロスである。そして拍手レス。

ども、草之です。
まだ見に行ってません。ていうか明日行きます。
人が多いのが苦手なので。
 
明日と明後日は推薦入試で大学も休みだしね。
自然と4連休。え、5連休じゃないのかって? 土曜日に再履修があるんですよ。っく。
 
土日は友人宅で地球防衛軍3。
対戦が熱かった。お互いが両方ゴリアスZを装備して、山をまたいでの砲撃戦とか。
スナイパーライフル限定の住宅地での射ち合いとか。ミサイルでヘリを撃ち落としてやったり。
それにしても驚いたのが、体力を三万近くに設定してたのに、レベル10000の乗り物の一撃で沈んだのにはマジで腹を抱えて笑った。
 
 
さて、マクロスF劇場版。
妹は日曜日に見に行ったらしいのですが。
「○○(草之の本名下の名前、呼び捨て)、パンフレット買ってきてな!」
いや、お前買っとけよ(笑)。
 
ということで、明日、朝一のなんばパークスシネマに見に行ってきます。
 
 
では以下、拍手レス。
草之でした。

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テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

その優しい星で…  Navi:34 前編

 
 電車が揺れる。
 心地の良い夏の日差しにさらされながら、電車はまっすぐにレールを進んでいる。
 ガタンゴトン、と揺れるたびに、そう多くはない荷物のなかのウチの一つ、夜光鈴が涼しげに鳴る。
 時刻は昼前。
 乗客は俺を除いて、一人二人。後ろの車両にも同じような人数しか乗っていない。
 全員俺よりもはるかに年上の、爺さま婆さまという、ちょっとした異世界だ。
 
 「あんたはどこまでいくんや?」
 
 「え?」
 
 俺が乗ったときから向かい合って乗っていたお婆さんが話しかけてきた。
 年齢よりも、ずっと若く見える元気そうなお婆さんだった。
 
 「城ヶ崎村です」
 
 「ほぉか。あすこはええところやわなぁ。そぉそぉ、ウンディーネの人も住んでるいうてるしなぁ」
 
 「…………、」
 
 ウンディーネの人、というのは、おそらくグランマのことだろう。
 言うべきかどうかを迷って、しかし、この旅で俺が何をしたいのかを思い出した。
 この言葉を口にするのは、たぶん、人生で初めてになる。
 
 「……それ、母なんです」
 
 「へぇ〜。ほぉなんか。因果なことやねぇ」
 
 おかあさんによろしく云うといてなァ、と言って、お婆さんは笑った。
 そこからは時々、お婆さんの方からの質問に答えるだけで、こちらから話しかけるということはなかった。
 それでも気さくに話しかけてくるお婆さんは、どこか楽しげだった。
 
 『次の停車駅は城ヶ崎村ァ――――、城ヶ崎村ァ。お忘れ物のないように、お気をつけてお降りください』
 
 アナウンスが鳴る。
 次は、と言っても、ここからまた10分以上はかかる。
 お婆さんは「次やね」と、眉を寄せて笑った。
 
 「……ありがとうございます」
 
 「なんやの、兄ちゃんいきなり?」
 
 「いえ、退屈せずにすみました。だから、ありがとうございます」
 
 「ええんよええんよ。こんな婆の話に付きおうてもろてなぁ。こっちこそ、ありがとうねぇ」
 
 「とんでもない。こっちこそ、そちらのお役に立てていれば、と思います」
 
 「お見通しやねぇ。ごめんねぇ」
 
 「気にしないでください」
 
 楽しい時間はあっという間、とはよく言ったもので、いつの間にか、電車が減速を始めていた。
 席を立って、お婆さんに一礼する。
 
 「達者にねぇ」
 
 「はい。では、またご縁があれば」
 
 ぷシュー、と電車のドアが開く。
 さっきまでガラス越しだった夏の日差しが、直接肌に降りかかってくる。
 見上げる空には、入道雲がもうもうと浮かんでいた。
 
 「士郎さん、お久しぶりねえ」
 
 「……あ」
 
 改札の方から、声がした。
 
 「アリシアから、もう聞いちゃったかしら?」
 
 「はい。……えっと」
 
 「あらあら、ほっほっほ。おかえりなさい、士郎」
 
 「――――、ただいま、か、か」
 
 この先が言えない。
 喉に詰まりモノがあるように、気道がきゅっと絞められる。
 それでも、言わなきゃ進めない。
 
 「――……っ、ただいま、母さん」
 
 「よくできました。さぁ、お昼はまだでしょう?」
 
 「は……、いや、ああ」
 
 グランマについて歩く。
 去年も来たのに、なぜだか今は、この景色が全く違うもののように見えてしまう。
 この世界は、こんなにも『優し』かったのか。
 
 「そうそう、士郎。このあとマンホームにも行くんですってねぇ?」
 
 「うん? あぁ、アリシアから聞いたのか。行くよ。確かめに」
 
 「……アリシアは、なんて?」
 
 「いってらっしゃい、だけ」
 
 「そう?」
 
 「そう」
 
 それからしばらく、どちらとも話すことはなかった。
 ただ黙って、田舎道を進んでいく。アスファルト舗装も、ましてや石畳でも、砂利がしいてあるわけでもない、そこに地面があるだけの道。
 広い田んぼには、ぽつりぽつりと作業を進める人影が見える。
 空を見上げてみれば、眩しい日差しと入道雲。
 こんな景色は、俺の中ではここでしか見たことはない。だというのに、この懐かしさは何なのだろうか。
 あるいは、ただそういう気分にさせられているのかもしれない。
 それでもいいか、と思えた。
 いつか聞いた“郷愁”の感覚が、なんとなく、じんわりと体の中に染み込んでくるような気がした。
 
 「はい、到着。ちょっと待ってなさいね、ご飯用意するから」
 
 「俺も手伝おうか?」
 
 「ほっほっほ。それじゃあ、お願いしようかしら」
 
 「喜んで」
 
 家に上がって、改めてただいまを言うと、グランマは優しく微笑んでくれた。
 それに苦笑いで返して、台所に立つ。
 昔は、台所は女の場所だとかいう理由で、男は入らないようにしていたらしい。らしい、なんてことが言えるのは、俺が育った環境もあってだろうと思う。俺の知る限り、作る女性よりも、食べる女性のほうが多かった気がする。
 それもそれでどうなんだ、と心の中で過去に突っ込みを入れながら、黙々と食事の準備が整っていく。
 
 簡単な和食だった。
 ちゃぶ台におかずを運び、グランマと向かい合って座る。
 
 「いただきます」
 
 「はい、いただきます。ほっほっほ」
 
 相変わらずの料理の味に舌鼓を打ちながら、縁側から見える城ヶ崎村の風景を眺めてみる。
 山に囲まれたこの村は、わりと涼しい。この近くに天候管理システムの大窯はないから、元々の気温からして涼しいのだろう。
 冬は寒そうだ。
 
 「士郎、マンホームに行って、なにをするつもりなのかしら?」
 
 ――確かめたい事ってなにかしら。
 言外にそう言っていた。確かめたい事。
 俺がこの世界に来て、俺の中でなにかが終わって、何かが始まった。
 今だからそう思える。
 
 そして、そう思えるようになってから、俺の心の中にわだかまり始めた疑問。
 ここが火星だということ。それが、この疑問をより一層大きなものにしていた。
 もし、俺がここではなく、地球、マンホームに飛ばされていたのなら、きっともう答えは出ていたんだと思う。
 
 わからない何か、の、その答えが。
 
 “衛宮士郎”として生きて行くことの、ケジメ。
 
 「確かめに行く。……俺が、俺として、“エミヤシロウ”が“衛宮士郎”として、生きていくために」
 
 「……あらあら。去年会った時とはずいぶん変わったわねぇ」
 
 「変わりもするさ。いつまでも、向かい合った自分が本物だなんて思っていられないって、気が付いたから」
 
 微笑みを崩すことなく、グランマは俺の話を聞いていた。
 自然と箸はとまり、外から聞こえる蝉の鳴き声が急に大きくなって聞こえる。
 空を飛ぶ鳥の声、木の葉が擦れ合う音、吹き抜ける風の音。
 すべてが今の俺にとっての本物であり、俺が生きている世界の一部でもある。
 
 それは、つまり――――、
 
 「俺がこの世界のひとりだということを、確かめに行くんだ」
 
 「魔法使いさんも、素敵な引力には敵わなかった、というところかしら?」
 
 「まぁ、そうかな」
 
 苦笑い。
 それにグランマは、声を出して笑った。
 
 ゆっくりとした昼食も終わって、昼からは畑に出た。
 腹ごなしにはちょうどいい、と張り切りすぎた。夕方、帰ってきた身体は泥だらけになっていた。
 程よい疲労感と相俟って、早く風呂に浸かりたかった。
 
 「先にお風呂に入る?」
 
 「いや、後でいいよ」
 
 「そう。なら、お先に戴くわね」
 
 縁側に座り込む。
 泥まみれのまま畳に上がるわけにもいけないし、とりあえず、風呂に入るまでここで暮れゆく空でも見ていよう、と。
 
 吹き抜けていく風は昼間よりも冷たく、汗にまみれた身体を程良く冷ましていく。
 焼けたような茜色の空は、どんどん夜色に染みていく。
 それをぼぅっと眺めていること、空がちょうど半分ほど夜に変わった時だった。
 
 「あがったわよ」
 
 「ん。じゃあ、入るとしますか」
 
 腰を上げて、靴を脱ぐ。
 脱衣所に入って、服を脱衣籠のなかに放り込み、一度、鏡を見た。
 
 「…………」
 
 大小の銃疵、斬傷、若干残る火傷跡。
 戦闘者として、腕の傷は少ないのは当たり前として、それにしても、と思う。
 
 「……よく生きてたもんだな」
 
 こうやって思い返して見ても、いや、こうやって思い返すからこそ、なのだろう。
 この世界に生きて、優しさを知って、だからこそ、そう思ってしまうのだろう。
 
 「……風呂入ろう」
 
 がらっ、と戸を開けると、一気に湯気が逃げ出してきた。
 冬でもないのに、これだけ湯気が出るって……結構熱そうだな、お湯。
 
 「っあつ、やっぱり熱……」
 
 試しに指を入れてみると、一瞬でじんとくる程の高温だった。
 まぁ、慣れるだろう、と桶に湯を汲んでかけ湯をすることにする。
 頭から湯をかぶって、とたんに髪が逆立つ、くらいに熱かった。首筋に何かが這ったような感覚がして、熱い湯をかぶったはずなのに、鳥肌が立った。
 
 がしがしと頭を洗い、流し、がしがしと身体を洗い、流す。
 ふぅ、と一息ついて、湯船に向かう。
 じっと眺めて、うん、と頷く。
 
 「南無三」
 
 覚悟を決めて、一気に肩まで湯に浸かる。
 ぞわわわっ、と全身を熱が駆けまわる。その熱を我慢するように、息を止めて、ある程度慣れてきたところで溜めに溜めていた息を吐き出す。
 ARIAカンパニーにいると、風呂はなく、シャワーで済ませていたから、本当に久しぶりの風呂、ということになる。去年のグランマの家に来た時以来だから、アクア歴で1年、地球歴で2年ぶりの風呂ということになる。
 一昨年に一度、去年にも一度、冬だったかにアリシアたちに温泉に誘われたけど、それにも行ってない。
 
 それもこれも、全部がこの傷のためだ。
 この世界ではあり得ない、あってはならない死のカタチ。
 それを見せることが、どういうことなのか。
 それを見せることが、一体どういうことなのか。
 
 「…………ふぅ」
 
 もう一度ため息。
 
 「この世界に混ざれない、数あるひとつの理由」
 
 大きな傷は消えない。
 それは身体の問題だけではなく、心の問題でもあるのかもしれない。
 ぴちょん、と湯船に水滴が落ちる。
 湯気で天井がぼやけて見える。靄がかった電灯がやけに頼りない。
 
 いまにももみ消されてしまいそうな電灯の光が、とても似ている。
 
 「俺に似ている」
 
 正確には、俺じゃない。
 
 「“エミヤシロウ”によく似ている」
 
 “衛宮士郎(俺)”ではなくて、“エミヤシロウ(俺)”によく似ている。
 もみ消されそうな俺は、俺ではなくて俺だということ。俺だけが昔の俺を知っていて、昔の俺は、今の俺をどう思っているのだろうか。
 あるいは、誇らしく思ってくれているのだろうか。
 それとも、罵倒の限りを尽くしているのだろうか。
 
 「……今の俺にはわからない。わからないということが解る。けど、それがなんだって言うんだ。わからないことを、それでいいなんて思ってちゃあダメなんだろうな。わからないことを、それでも知ることが今の俺には必要なんだ」
 
 ざん、と湯船から身体を出す。
 タイル張りの風呂の床にペチペチと足音が鳴る。
 
 見ると、脱衣籠に入れておいた服はいつの間にか回収されて、洗濯機の中で踊っていた。
 代わりに寝間着らしき甚平が置いてあった。袖を通してみると、少し大きい。
 それなりに広いと思っている肩幅からでも、少しずり落ちそうな感じだ。
 
 「作ってくれた、とかか?」
 
 魔術を使うまでもない。
 縫い目や、布を見れば、これが手作りのものだってことが分かる。
 温かい。
 
 「……あがったよ」
 
 「布団、敷いといたからねぇ」
 
 「ありがとう」
 
 ……久しぶりだった。というよりも、これが、という感覚。
 布団の中に潜り込む。温かかった。
 日干しでもしていたんだろうか、ふわりとした、温かさだった。
 
 消えていく。
 あるいは、重なっていくのだろうか。
 重なる。
 あるいは、消えていくのだろうか。
 
 天秤のように、否、傾き片寄る天秤ではない。
 それは鏡か、それとも人形?
 “エミヤシロウ”と“衛宮士郎”。どちらがどちらで、どちらが本物か。
 
 「本物、ね……灯里がなんか言ってたっけな」
 
 『……ぶっちゃけ私、この世には嘘モノはないって思うんです』
 
 “本物”の反対は一体何なのか。
 偽モノ、贋作、似せモノ。
 
 だとしたら、今の俺は昔の俺から見れば、偽モノなのだろうか。
 それとも、これが本物だというのだろうか。
 
 本物の定義は?
 偽モノの定義は?
 
 それに当てはめて考えて、俺は本物? それとも偽モノ?
 そもそも、俺って何だ?
 
 俺の何が本物で、何が偽物で。
 
 俺は一体、何を背負っていたんだ?
 救えなかった人たちを?
 救いたいと思った願いを?
 それとも、そう願い、救えなかった人を背負った“俺”を?
 だったら、“俺”っていうのは、一体誰なんだ?
 
 「――――あ」
 
 目が覚めた。
 いつの間にか寝ていたらしい。
 寝汗がひどく、朝に吹く風がやけに寒かった。
 もぞり、と布団の中で身体を動かすと、隙間から冷たい朝の空気が入り込んで来て余計に寒くなった。
 目が覚めたんだから、これ以上布団の中にいることもないか。
 
 「ん、く――――ぁっ!」
 
 背筋を伸ばし、縁側から庭へ出る。
 ほどよい広さのそこで、日課を始める。
 まだ日も昇らない薄暗闇の中、精神だけは研ぎ澄まし、その切っ先を光らせる。
 
 「――――、投影、開始[トレース・オン]」
 
 両手に干将・莫耶を顕現させる。
 手の中にしっとりと収まる握り心地は、いつもと変わらない。
 
 すぅ、と切っ先を水平まで持ってくる。
 動かず、揺らさず。
 水滴を受け止める止水の如く。一紋の波も許さない。
 
 没頭する。
 山と山の間から、朝日が漏れ出す。
 
 弾けた。
 ぴゥ、と笛を吹いたような音がして、空気が裂ける。
 切っ先は止水、流れる身体は激流。
 仮想敵を思い浮かべる。まずは雑魚。徐々に強く、鋭く。
 最後には、英霊。
 
 いつもは、仮想的をセイバーにする。
 だけど、今日だけはアイツにした。
 
 対峙する。
 
 『――――、行くのだな』
 
 「す――――――――ぅ」
 
 息を吐く、と同時。
 大きく踏み込む。相手は動かない。無防備な首筋に刃を――――、
 
 「……俺は、お前を否定する」
 
 皮一枚で止めた。
 
 「俺はお前に否定される」
 
 発する言葉は、今の自分に言い聞かせるように、と同時に未来へ語りかけるように。
 
 「磁石なんかと同じだ。S極とS極は弾き合う。つまり、お前と俺は、同じ“俺”だから弾き合う。だから、なんていう理由じゃない。俺はお前を認めたいなんて思わない。諦めた“エミヤシロウ”を俺は認めない。だから、これは諦めたんじゃない。進むんだ。進んでいたと思って、実ははまっていた泥沼から抜け出して、いろいろなものを背負った俺自身を、俺が断ち切る」
 
 自分の荷物から、ひとつの宝石を取り出す。
 赤銅色の、昔の俺の髪の色に似た、飴玉大の宝石。
 
 「――――体は剣で出来ている」
 
 干将・莫耶を消滅させてから、宝石を手に、言葉を紡ぐ。
 
 「――――血潮は鉄で、心は硝子」
 
 ズグん、と血液が逆流するような激痛とともに、魔力回路全てに魔力が注がれていく。
 撃鉄は、まだ引いていない。
 
 「――――幾度の戦場を越えて不敗」
 
 基本骨子、解明。
 構成材質、解明。
 含有魔力、解明。
 基本骨子、変更。
 構成材質、補強。
 含有魔力、流動。
 
 「――――ただの一度の敗走もなく。
  ――――ただの一度の勝利もなし」
 
 撃鉄を上げる。
 ただ一発の想いの弾丸を撃つために。
 
 基本骨子、歪曲。
 構成材質、歪曲。
 含有魔力、圧縮。
 
 「――――痛みを此処に、剣を練磨する」
 
 メキリ、と骨が軋む。
 筋肉が細かいところで弾ける。内出血がひどい。
 魔力が全て持っていかれる。
 
 基本存在、解析。
 構成存在、解析。
 含有存在、解析。
 
 「――――剣の丘に、ただ待ち続ける」
 
 存在骨子、解析。
 存在材質、解析。
 存在魔力、解析。
 
 「――――幾星霜。ただ唯一の道を悔いらず」
 
 基本存在、歪曲。
 構成存在、歪曲。
 含有存在、歪曲。
 
 存在骨子、歪曲。
 存在材質、歪曲。
 存在魔力、歪曲。
 
 考エウル存在ノ歪曲ヲ完了。
 
 「――――この体は、“無限の歪み”でただひたすらに突き進む」
 
 全行程、歪曲完了。
 
 「――――、幻想強化[ディストーション]」
 
 
 *  *  *  *  *
 
 
 「灯里ー、マンホームまでだいたいどれくらいかかるんだっけー?」
 
 「高速艇を使ったら、だいたい1日半くらいかなぁ。でも、一般の旅客船だったら3日くらいだけど」
 
 「ってことは衛宮さん、そろそろ向こうに着いてる頃かしらね?」
 
 「藍華先輩、でっかい心配症です」
 
 「う、うっさいわね。そんなんじゃないわよ……。なんで、こんなこと急にしだしたのかが、わけわかんなくて」
 
 士郎さんがマンホームへ旅行に行く、と言ってから、実に1週間と4日。
 グランマのところに1週間くらいお世話になる、みたいなことを言ってたから、たぶん、予定通りなら、今日くらいにマンホームに着いてるはずだ。
 藍華ちゃんは、士郎さんがマンホームへ行く、と知った日、わんわんと泣きだして、士郎さんを困らせていた。
 士郎さんは、「別にむこうに永住するわけじゃない」と言っていたけど、それでも藍華ちゃんはなかなか泣きやまなかった。
 いつか、たしか、藍華ちゃんは同じようなことを聞いて、泣いてた事があったっけなぁ、なんて他人事みたいに考えていた自分が、不思議だった。
 どうして、こんなに私も泣きそうなんだろう、って。
 関係者だって考えてしまったら、私まで泣いてしまいそうだった。
 
 「……衛宮さんは、マンホームの出身なんですか?」
 
 「うーん。そうとは聞いてるんだけど。よくわかんない」
 
 「でっかい興味があります」
 
 「帰ってきたら、お土産話と一緒に聞かせてもらったらどうかな、アリスちゃん」
 
 「それはいい考えですね、灯里先輩っ」
 
 いつになく、瞳を輝かせているアリスちゃん。
 どうしてだろう。“そう信じていないと帰ってこない”という想いが伝わってくるようだった。
 苦笑いが漏れる。
 
 「あに笑ってんのよ」
 
 「ううん。士郎さん、きっとちゃんと帰ってくるから、大丈夫だよって」
 
 「ば、ばかっ、それくらいわかってるわよっ!」
 
 途端に顔を真っ赤に染めて、藍華ちゃんがそっぽを向いた。
 アリスちゃんとそれを笑い合って、藍華ちゃんが拗ねながらその輪に入ってくる。
 
 いつもの風景。変わらない日常。
 たった1週間とちょっとじゃあ、そこまで変わることなんてない。でも、だからこそ、この1週間は、『士郎さんがいない』という違和感を抱えながら過ごした。
 私たちは、きっと泣いてしまう。
 ただ、いつものように買い物から帰ってきたような感覚の士郎さんを見て、きっと私たちは泣いてしまう。
 
 それが、人がいなくなるって言うことの、本当の寂しさだと思うから。
 それだけ、士郎さんの事を好きってことで、それだけ、士郎さんが私たちの生活の一部になっているってこと。
 
 士郎さんがそういう人だから、いつ消えてしまっても不思議じゃないような雰囲気を持っている人だから、余計に不安に思ってしまう。
 マンホームに行って、そのまま帰ってこないんじゃないだろうか、って。
 
 でもそれとおんなじくらいに、私たちは信じてる。
 いつものように、いつもと同じように、士郎さんは帰って来て、それでいて、おいしいご飯を作ってくれて、一緒にご飯を食べて、怒られて、褒められて、笑って、泣いて、楽しんで、悲しんで。
 
 あぁ、そうなんだなぁ、と。
 こうして離れて、改めてその人の事を考えて、やっとわかることも多い。
 
 士郎さんは、私たちのこと、よく見てくれていたんだなぁ、って。
 
 「ねぇ、藍華ちゃん、アリスちゃん。レデントーレ、今年もしよっか」
 
 「うんー? あによ、いきなり」
 
 「士郎さんが帰ってくる時期ってさ、ちょうどレデントーレの時期じゃない? だから、お帰りなさいパーティーも兼ねて、さ」
 
 「でっかいいい考えですっ」
 
 「そーねー。なかなかいい考えかもね。そんならさ、せっかくだし、みぃーんな誘っちゃおうよ」
 
 「みんな?」
 
 「みんなです?」
 
 「アリシアさんでしょ、晃さんにアテナさん。あとグランマ。アル君でしょ、で、ウッディーさんに、ついでにポニ男。あと、士郎さんの知り合い各位。そして、主賓は士郎さん」
 
 『おお〜っ』
 
 とすると、とても大きな屋台船が必要になる。
 10人とか、そんな人数じゃなくなるだろうし、お料理の量も多くなるし。
 うわー、大変そう。
 
 なのに。
 
 「えへへ、いいね、それ」
 
 「でっかい楽しみです!」
 
 「でしょでしょ?」
 
 なのに、なんでこんなに楽しみなんだろう。
 それはきっと、私が、私たちが。
 
 士郎さんのことを、大好きだからなんだと思う。
 
 「そうと決まれば、善は急げよっ。アリシアさんに相談しましょ、そうしましょ!」
 
 
 士郎さんお帰りなさいパーティーの準備は始まった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                Navi:34 前編   end
 
 
 
 
 

テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

というわけで、全然書けてませんのことよ。お詫びにもならないけど拍手レス。

ども、草之です。
 
ここ二日ほど妹にパソコンを独占されていた&「交代したるよー」って言う時間には暇もたたって眠くてしかたがなかったとかいう理由で『優星』最新話、まだできてません。
 
明日の夕方には完成させて更新させて見せますので、どうか妹を罵倒してやって下さい(ぇ。
 
ちなみに、うちの妹、発育だけは「ネギま!」トップ4級という中学生です。
「こんな発育のいい中学生いるわけねえ!」と、ネギま!を見て本気で思った人。本当にいます。
だけどいろいろ性格に難がありすぎるので、草之の白髪の原因のほとんどが妹と言っても差し支えない。
 
 
 
妹自慢にも見えるのはこれくらいにしておいて、以下拍手レスです。
 
 
では草之でした。
 
 

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テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

今日のアニメ  #14 『あれで花田光さんかジョージだったら絶対狙ってたよあれ、うん絶対』。あんど拍手レス。

もしくはダークホース・ミギーだったらもう笑うしかない。
ども、草之です。
 
何の話だ、何の。という方のために。
ネギま!のジャック・ラカンのCVが決定したそうです。
 
小山力也さんらしいですよ。
 
ちなみに、ミギーは石渡大輔、ジョージは言わずもがな中田譲治。
なにがどう狙ってたかは分かる人にわかればいいのでそこまでは言わないで置きます(笑)。
 
一安心と言いたいけどなんだか悔しい(笑)。
ジョージだったらマジで一週間笑いの種に出来る自信はあった。
 
 
 
とまぁ、こういう大人の事情が一枚かんでそうなお話は置いておくとして。
妹が買ってきたアニメディアを拝見。とある記事で大爆笑。
 
『聖痕のクエイサー』
 
いよいよ放送開始が来年の一月に決定したらしいです。
あー、やっちまうのかー(笑)、という感じ。おそらく、ほとんどの人がこう思っているはず。
監督インタビューにて、「キャラクターによって乳を描き分けています」とのこと。
どんだけ気合い入っとんねん(笑)。
しかも2クールだそうです。なにしてんだ。怒られるまでやるって言っちゃってたし(笑)。
 
第2のクイーンズブレイド化しそうな予感と悪寒。
 
ドラマCDでは、ARIAでおなじみ晃さん役の皆川純子さんがやってたんですが、どうやらさんぺーちゃんがするみたい。どっちにしろ、男性声優は当ててもらえないサーシャ。いや、女性声優にしてるだけ良心的と見ていいのだろうか?
とりあえずカーチャは田村のゆかりんで決定だろjk。
 
ごほん。
ごめんなさい。クエイサーは雑誌では見てませんが、1巻が出たときから愛読してます。
実は超楽しみでたまらんです。カッコいいしね。DVDも念頭に入れておくとしよう。
 
 
 
ということで、以下拍手レスです。
今回はちょっちアレなトークをするかもですので、ご注意を(今更。
 
 
では草之でした。
テンション高くてキモいと自分でも思う。
 
 
 

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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

『優星』最新話(次回更新分)の推奨BGMは『さよならbyebye』。あと拍手レス。

ども、草之です。
 
というか、『さよならbyebye』って知ってる人どれだけいるだろう?
結構、いや、かなり有名ですけどね。すでに懐メロ化してるとは思いますが。
 
実際に、さっきまでの執筆中に、作業音として書いていたら、涙が滲んできたんです。
というわけで、次回の推奨BGMは『さよならbyebye』です(笑)。
ということが言いたかっただけでしたとさ。
 
あー、小学校の頃は夏休みこども劇場で見てたなぁ。
新学期が始まってもまだ放送してるもんだから、小学校が近いからって8時15分までテレビにかじりついてましたねー。
というか、いつもあれ、いいところで新学期になってませんでした、同年代よ?
たしか、暗黒武術会の後半あたりで新学期スタート! って、なめんのかコラぁ!? って感じになりませんでした(笑)?
 
まぁ、とにかく。
予習代りに『さよならbyebye』を聴いて妄想を膨らませるもよし。
単純に『さよならbyebye』を聴いてあの頃のことを思い出してもよし。
『さよならbyebye』を聴いて、次回の『優星』の内容を予想してみたり。
 
楽しみに待っていて下さいね!
 
では、以下拍手レスです。
 
草之でした。
 
 

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自己紹介 (1)

プロフィール

Author:草之 敬
趣味:絵を描くこと(友人に「お前が描くのがムカツク」と言われる程度)・小説を書くこと・ドラムス
    
性格:優柔不断。ここを作ったのは英断だと思ってる。

語り:この頃やっと自分のブログに自信が持ててきた。
 作品が増えていくたび、愛着が出てきて困る(いい意味で)
 心の聖典は『イエスタデイをうたって』『ああっ女神さまっ!』

小説を読む前にガイドラインを読んでくれると注意書きとか載ってます。

リンクフリーです。相互リンクも大歓迎です。

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