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2018-09

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背徳の炎  track:37

 
 隠密するには、俺の身体と性格は明らかに向いていない。
 それでもしなければならない。木陰に隠れつつ、標的が通う教室を眺め続ける。
 今日で一週間。とりあえず今は見つかっていないようだが、これではまるで変態だ。
 
 くそったれめ。
 絶対に殺してやる。
 
 『超さん。……うぅん、今日もお休みですか』
 
 超鈴音はこの一週間、一度も教室に顔を出していない。
 俺から逃げているのか、それとも何か裏で動いているのか。
 動いているとして、それはどういう計画なのか。知りようがない。それはつまり、今現在、超鈴音を止めるための方法がないことを意味している。
 今日はこれ以上いてもしょうがないだろう。街に出て、目撃情報を集めた方が賢明か。
 
 「例えば、君が変態なら……ちょっと痛めつければ誰をストーキングしたかを吐くだろうけれども」
 
 「――――」
 
 確か、タカミチだったか。
 どうやら、いろいろと擦り切れているらしい。無精ひげは前に目にした時よりも濃くなっているように見える。頬もげっそりとしていて、一回り身体が小さくなったようにも思う。
 
 「なんの用だ」
 
 「いや、珍しい人がいるなと思ってね。久し振りに帰ってきたら、学生は学園祭の準備で忙しそうにしているし、先生たちは得体の知れないものに恐怖している。どういうことなのかと思ってね」
 
 「……ふん」
 
 「僕は、君と戦いたい」
 
 「あ?」
 
 「僕はね、君が憎くて憎くてたまらないんだ。本当なのかどうなのかすらわからない情報で学園全体を混乱に陥れ、僕の築き上げてきた地位を崩した。戦うだけの理由は十分あるだろう?」
 
 「……ガキが、イキってんじゃねえぞ」
 
 「もちろん、今ここでなんて言ってないさ。ただ、いつか君と戦いたいと思ってるだけだよ。覚えておいてほしい」
 
 「…………」
 
 これ以上の長居は無用だ。このままいたらこのタカミチとかいうのに襲われかねない。
 負ける理由はないが、相手をするのも疲れる。
 タカミチの横を通り抜け、学園から離れていく。ヤツがついて来る様子はない。俺を追って何をしていたかを聞くつもりはやはりないらしい。
 しかし、だ。
 確かに、本当かどうかもわからない事でこの世界の一部だけでも混乱させたのはズバリだ。
 そこは俺に非がある。認めよう。だがしかし、その本当かどうかもわからないことは、今まさに『本当』になろうとしている。この事態を招いたのが俺の非だというのならば、俺が決着をつける。
 超鈴音を殺すということで。
 
 
 昼ごろまで街中で聞きこみをしてみるも収穫はゼロ。
 予想していたこととはいえ、一週間もなにもないとなるとさすがに焦りが生まれる。
 落ち着こうとしても、生来の短気が邪魔をする。答えは出ているのに、途中式が空白のままの気持ちの悪い数式を見ている気分だ。問題が生じ、それとイコールで解決が結ばれていると言えば気持ちの悪さが伝わるだろうか。
 問題発生=解決。解決という答えは出ているのに、問題に対する対処が全くわからない。逆算しようにも、はっきりと出てしまった結果が心理的に邪魔をする。
 結局は解決に向かうと思う、その心が。
 
 「ち。めんどくせえ」
 
 まずはどうやって超鈴音が魔法を世界にリークしたのか、その方法だ。
 俺たちの時代の歴史を考えれば、最初はごく小さな種でもいい。それが徐々に顕在化して、ゆくゆくは全世界に科学を超越する『夢の技術』として花開く。
 となれば、まずはファンタジーの中でしか存在していないという現代の人間に“魔法は実在する”という前提条件を刷り込まなければならないはずだ。
 超能力などが手品や科学、心理トリックで片づけられるこの時代の人間にどうやってそれを刷り込むのか。
 わからない。これは後回しだ。
 
 次は魔法使い、またはそれに準ずるファンタジーの中の存在を認識させるということ。
 “魔法は実在する”と知った人間に、ではそれを使う人物は一体誰なのかと教えること。
 
 ――――あのガキか。
 アクセルがサポートをしているとかいう、あのガキだ。
 超鈴音に最も近く、そして騙しやすい人物。
 だが、ここで俺がいくら超鈴音に気をつけろと言ったところであのガキは真に受けないだろう。
 そういうところはカイと同じだ。
 
 融通の効かない馬鹿野郎ばかりだ。
 動きにくいったらありゃしねえ。
 
 だったら、あとすることは簡単だ。
 
 「超鈴音、その計画全てブッ潰してやる」
 
 
 *  *  *  *  *
 
 
 『こちらは麻帆良祭実行委員会です。麻帆良祭まであと6日を切りました。安全第一! 事故、ケガのないよう準備に励み、今年の学園祭も死者ゼロで成功させましょう』
 
 「いつもみたいに隠さなくても大丈夫なの?」
 
 「はい。エヴァさんに聞いたんですけど、この時期になると“こすぷれ”とかいうのと着ぐるみを着た人が多く出てくるらしいので、私の尻尾と翼も注目されることはないだろう、って」
 
 「そうなんだ。ボクは別に隠してなくてもいいと思うんだけどなぁ」
 
 「そうもいきませんよ、メイさん。私たちはこの世界にやっかいになってるんですし、迷惑は極力かけたくありません。ジョニーさんも言ってました。迷惑事は引き受けろ、だけど迷惑は売るなって」
 
 「そうだよね。ま、こうやって一緒に出歩くってのも久しぶりだしさ、ゆっくりしようよ」
 
 ディズィーの手を引きながら、麻帆良の街を歩いて回る。
 ディズィー、ひいてはエヴァの言う通り、ディズィーの尻尾や翼を気にする人はいない。
 本当に久しぶりにディズィーとこうして歩くことができる。
 
 だというのに、ディズィーは浮かない顔をしている。
 
 「……お兄さんが気になる?」
 
 「え? あっ、いえ、そんな……っ!」
 
 「いいよ、隠さなくても。ボクだって、ちょっとは気になってるからさ」
 
 「……カイさん、どこに行っちゃったんでしょう」
 
 先日ボクがちょーっとキツく言ったら、いつの間にか家出少年になってしまった。
 ここ数日、エヴァのログハウスに帰ってきていない。
 
 そんなに気にしなくてもいいと思うことでさえ、大人はみんな気にする。
 やっぱり、ボクももうちょっと考えて生きた方がいいのかなあ。ジョニーはどうなんだろう。そんなことを考える女性は好きかなあ。いやいや、それよりも、ボクがちゃんと帰れたら怒らずに抱きしめてくれるかなあ。
 うう、こわいのやら、楽しみなのやら我ながら分かんないなあ。
 
 「ま、そのうち帰ってくるよ。ディズィーの顔が見たくなったら帰ってくるって」
 
 「…………」
 
 「そんなに暗いとどっちがネクロか分かんないよ」
 
 「すいません」
 
 というわけで、お兄さんが帰って来ないからディズィーはいっつもこんな調子なわけで。
 せっかくの家族水入らずの時間だっていうのに。お兄さんが帰ってきたら一発殴ってやるんだから。
 それくらいは許されてしかるべきだと思うんだ。うん。
 
 ……あーもー。ぐちぐち考えてたらイライラしてきた。
 なんかパーっとできるアトラクション出てないのかなあ。
 
 「あ。メイさん、ほらあれ」
 
 「ん? おー、ヨーヨーだね」
 
 ディズィーが指差したのは、開けた場所で集まっているスピナーたちだった。
 手に手にヨーヨーを持って、いろんなトリックを出し合い見せあい競い合っている。
 
 「ブリジットさん、お元気でしょうか」
 
 「あの子なら元気にしてるでしょ。ていうか、ああいうの見てたらブリジットがどんだけおかしいことしてたかってのがよくわかるね」
 
 「ひ、否定はしませんけど……」
 
 と、苦笑いのディズィー。
 今目の前でスピナーたちが持っているヨーヨーの数倍の大きさのヨーヨーを武器に賞金稼ぎをしている、ブリジットという友達がボクたちにはいる。ジョニーが調べたところによるとどこか良いトコのお坊ちゃんらしいんだけど、どう見て

もお嬢ちゃんだよねえ、あれは。
 
 「ちょっとだけ、気が晴れました。私にはカイさんがどこにいるかまでわかりません。だから、帰ってくるって信じて、私は私で、もっとこの世界で勉強します!」
 
 「その意気だよ、ディズィー」
 
 それからは、ディズィーも普通に笑ってくれるようになった。
 吹っ切れたからなのか、なんなのか。とにかく、家族の成長はメデタイことだ。
 そういえば、エヴァが世界樹広場の近くに美味しいお店があるって言ってたっけな。お昼はおごってあげようじゃありませんか、このお姉さんがね!
 
 「ディズィー、そろそろお昼行こうよ」
 
 「え。あ、でもエヴァさんのは……?」
 
 「エヴァは大丈夫だって。ディズィーがしなくても茶々丸がしてくれるよ」
 
 「……でも、その」
 
 「もう。忘れたの? 今日は久しぶりの家族水入らずなんだから。ほぉらっ、行こう行こう!」
 
 ちょっと強引だけど、そうでもしないとこの子はすぐにがんばっちゃう。
 がんばることは悪いことじゃないんだけど、なんていうか、空回りじゃないんだけどディズィーはすぐになんでもかんでも抱えて気にしちゃう性質だから、放っておけないというか。
 まあ、つまりお姉さんしてたいってことなんだけど。
 
 「えっと、なんて読むんですか?」
 
 「あはは、わかんないや」
 
 いざ美味しいと書いていたお店に入ったのはいいのだけれど、店名もメニューもろくに読めない。
 店員さんを呼ぼうにも、なんだか忙しそうだ。ちょうどお昼の一番お客が入る時間に来てしまったらしい。
 と。
 
 「あれ、確か君は……」
 
 「ん? おじさん、誰?」
 
 「おじさん……って、まあいいけど。君たち、アクセル君の?」
 
 「なに。金髪ロンゲのお兄さんの知り合い?」
 
 「知り合い、というか僕はアクセル君の先任だったんだ」
 
 「って、ことは私が来る前の3-Aの副担任?」
 
 「そういうことだね。相席させてもらっても?」
 
 「困ってる人は放っておいちゃいけないって言い聞かされてるからね。どうぞ」
 
 「それはよかった。しずな先生、ここ相席させてもらいましょう!」
 
 「?」
 
 自己紹介も済まさずに、何とか先生はしずなという女性を呼んだ。
 なんだ。相手がいるんじゃん。
 
 丸いテーブルを4人で囲んだ。
 どうやらしずなという先生は英語の教師らしく普通に英語を話すことができるため、意志疎通に不便はなさそうだった。
 
 「ていうかさ、ボクらお互いのこと全然知らないよね? 自己紹介しとく?」
 
 「そうだったかな。学園長から聞いたのをそのまま覚えてるからかもね。じゃあ、僕から。高畑・T・タカミチだ。広域指導員や、今は主に国外の学校との連絡係と言ったところかな」
 
 「私は源しずな。さっきも言った通り、英語の教師をしてるわ。あなたたちのクラスはネギ先生が見てくれてるから、授業では会わなさそうだけどね」
 
 「ふーん、そっかあ。えっと、ボクはメイ。で、こっちはボクの家族で……」
 
 「ディズィーと言います。メイさんと一緒にエヴァンジェリンさんの自宅にホームステイ? させてもらってます」
 
 ディズィーの尻尾がパタパタと揺れる。
 どうやら、誰かと知り合いになれて喜んでいるようだ。
 まあ、別に友達を作っちゃいけないってわけじゃないのは、うん、分かってるんだ。
 けれども、そんな余裕がボクにはない。もしかしたら、ディズィー以上にその余裕のなさは大きい。
 できるだけ表に出さないようにはしてるけど、今でもジョニーのことが心配で心配でたまらない。
 ボクがいなくなってもちゃんと生活できるのかが心配だし、他の女のお尻ばっかり追いかけてたりしたら本当にイヤだし、とにかく、彼の声が聞けないなんてありえない。
 ジョニーの声を聞く、姿を見る、これが毎日のルーティンなわけで、それが欠けちゃったらもう、なんて言っていいかわからないほどに不安に駆られる。
 
 「学園祭の準備は進んでる?」
 
 しずながこっちに向かって微笑んできていた。
 
 「うん。たぶん。なんかこの間はこの間でメイドカフェ? っていうのにしようとか言ってたんだけどさ、誰だっけ、ニッタ? って先生に怒られてから違うのにしなくちゃいけなくなったみたい。で、話し合いの結果お化け屋敷するんだってさ」
 
 「えらく他人のことを話すみたいに言うね?」
 
 今度はタカミチが食いついてきた。
 はあ、と一回だけため息を吐くと、苦笑いで返される。
 わかってるなら訊かなきゃいいのに。
 
 「ボクは興味ないんだ」
 
 「あら、もったいない。今いるクラスメイトとは今しか一緒にいられないのよ?」
 
 「それもそうだね。それはよぉーくわかってるよ。だから、余計に」
 
 巻き込みたくないし、巻き込んだとしても、世話は焼けない。
 巻き込んでしまったら最後。その子は一生分の後悔を背負うことになるかもしれない。
 なあんて、カッコよく言ってみるモノの、実際はほんとうにメンドクサイからなんだよね。言葉通じないし。金髪ロンゲのお兄さんも行方不明だって話だし、エヴァに通訳頼んでも絶対に引き受けてくれないし、ネギはネギで教師だからボクに付きっきりってわけにもいかないし。
 どうなってるんだか、まったく。
 
 「で、そちらのお嬢さんはメイさんとはどういうご関係なのかしら?」
 
 「え、私……ですか?」
 
 「そうよ」
 
 ニコニコと微笑みながら、しずなはディズィーに尋ねている。
 まだ少しおどおどした様子で、それでもしっかりとディズィーは言ってくれた。
 
 「家族なんです」
 
 「家族? 姉妹ってことかしら?」
 
 「そんな薄っぺらい言葉でボクらを知った風に言ってもらっちゃ困るね。家族は家族だよ。それ以上でもそれ以下でもない。何よりも大切で、何よりも優先されること。それって家族でしょ?」
 
 「そうね、ごめんなさい。……なんだか悪いこと訊いちゃったかしら?」
 
 「そんなことないよ。まだどっちともお互いのこと知らないし、しょうがないって言ったらしょうがないよね」
 
 ボクがそう言うと、なにやら驚いた顔をされた。
 変なこと言ったかな。
 
 そのことを問い質す気にもなれず、またメニューとのにらめっこを再開した。
 タカミチやしずなにどんなメニューなのかを聞きながら、ディズィーと一緒に何を頼むかを決めた。
 無難にパスタを頼むと、また雑談が始まった。
 
 「ディズィーちゃんは、学校には行ってないの?」
 
 「あ、えと、私は、その……」
 
 「大学は行ってないよ。家族の数が多いからね。今はボクの面倒見てくれるって言ってついてきてくれてるんだ」
 
 そう言え、と言われている。
 こんなウソ、できればつきたくない。
 ボクだって本当は学校なんて行きたくない。このふたりぼっちの世界で、できるだけディズィーと一緒にいたいと思ってる。
 ボクらは本当にジョニーのところにもどれるのか、なんて考えだすと、不安でたまらなくなる。
 
 無事に昼食も終わり、メニューで助けてくれたお礼を言って席を離れた。もちろん、お金も置いていっている。タカミチは「おごるよ」と言ってくれたのだが、それはなにか違うだろう。しっかりと断っておいた。
 
 ボクらが離れたあと、彼がすぐに煙草を吸おうとしたみたいだけど、しずなに取り上げられていた。
 仲いいなあ。ジョニーともあんな風になれたらいいなあ。……でも、まあ、たぶんだけど、ジョニーの場合煙草がえっちな本とかなんだろうけれども。
 むなしい。
 
 「楽しかったですね」
 
 「そう?」
 
 「はい。新しい人ともお知り合いになれました」
 
 「なら、よかったかな」
 
 そうだとも。
 今はただ、よかったと言える日常を。
 
 
 *  *  *  *  *
 
 
 人が集まってきている。
 数日前に比べると、視界に入るだけで数十人ほど増えている。
 学園祭が、近づいている。それは同時に、時間がもうほとんど残っていないことを示していた。
 
 また、人が多くなれば、それだけ紛れやすく動きやすくなることを意味している。
 俺としても、片っ端から殴り倒していくわけにはいかない。疲れる。
 いざ戦闘になったとして、そのときに体力がないなんてマヌケはできない。体力がなくなる心配などないだろうが。
 
 『おはようございます。麻帆良祭当日まで、あと16時間です。各イベントサークルの責任者は本日10時に学祭実行委員会本部へ……』
 
 あと16時間。
 イノの動向もわからないまま、この日を迎えることになってしまった。
 この学園祭期間の3日間でこの学園都市がどれだけ様変わりしてしまうのか。
 
 イノの野郎が乱入してくるのだとしたら、平和に終わってくれるはずがない。
 だが、それはそれで好都合だ。あの巨樹の力だけでは不安が残る。強力な力同士のぶつかり合い。それも保険として起こしておく必要があるかもしれない。
 次元を不安定にし、飛びやすくする。そう簡単なことじゃないだろうが、やっておいて損になることはないだろう。
 
 と。
 
 ――ドパン!
 
 「……」
 
 魔法の発動。音のした方を向くと、煙だけが空中に漂っていた。
 なぜこんな場所で堂々と撃ってやがる?
 それに数瞬遅れ、本物の花火が打ち上げられた。パンパンと連続して乾いた音を出している。
 
 音を聞きはしたが、どこから飛んできて何を撃ち落としたのか。
 少なくとも、規模の小さなドンパチが始まったのは確かだ。
 
 この喧騒の中、音が聞こえたということは場所が近いということ。
 注意深く音を聞いていればどこにいるかくらい、わかるはずだ。
 
 「…………」
 
 戦闘音らしき物音が三つ、喧騒に混じって耳に届く。
 一番近いのは、屋根の上か。
 
 路地裏に回り、三角飛びの要領で屋根へ上る。
 すでに戦闘を行っていたヤツらの姿はなく、隠れた様子もない。
 移動したか。――なぜ移動した?
 疑問が頭をかすめる。小規模といえども戦闘を行ったのだ。「お互い手を引こう」と言ってすぐに納得出来る状況でもなかっただろう。今さら姿が見つかるのはマズイから、場所を移そうと言って簡単に承諾するとも思えない。
 ならなぜ?
 
 考えられる可能性は、一瞬で戦闘が終わったということ。
 だとしても、撤収が早すぎる。倒れたヤツをそのまま放置ということはないのだろうが、だとすれば早すぎる。
 ここに来るまでに10秒とかかっていない。
 
 だとすれば、あとは何が残る?
 霧散するタイプの魔物が相手だったのか。ならなぜ人混みの中でさえ戦闘が行われた?
 どちらか一方の勢力が逃げたのか。ならなぜ追跡戦をしているような気配がない?
 
 この世界と俺の世界の力の源泉は違うところにある。
 ゆえに、魔力の残り香を追う、なんて器用なこともできない。
 
 「ちッ。うぜえな」
 
 結論。
 見失った。
 
 屋根から降りて、また人混みの中をあてもなく彷徨う。
 絶対的に時間が足りていない。
 こちらが持っている情報などたかが知れているものばかりだ。
 
 どうすれば。
 どうすればいい……!?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「フレデリック」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 周りの喧騒一切が聴覚情報から排除された。
 誰が、俺の、名前を、呼んだ……?
 この世界にいる誰が、俺の名を知っている?
 
 「てめえ……!!」
 
 「やっと巡り逢えたね、フレデリック。健勝でなにより」
 
 なんでこいつが、ここにいやがる……!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
               track:37  end
 
 
 
 
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コメント

お久しぶりです、「背徳の炎」最新話まで拝見いたしました。
前の分もちょっと含めて感想を。

ア、アクセルー!まさかここで跳ばされるとは予想外でした。
多分元気でその内出てきそうですが。折角密かにカッコイイ役回りの途中だったのに。

カイは相変わらず悩める強者ですね。果てなき問いの先に答えが見つかるのか
どうか分かりませんが、迷いながらそれでも前に進める事が「人」の強さかと
思いますので、彼には頑張ってほしいですね。怪しい口調の中国人なら
前にも…と思いましたが厄介さのランクが違いましたな。

ソルはまぁ、性格面ではブレない完熟した点があるので仕方ないかと思いますが
もうちょっと自重しろ。カイと別な意味で危なっかしすぎる。

「あの男」の姿も登場してまた新たな局面に入ろうとしていますね。
次回も楽しみにしております。それでは。

pota様への返信

ども、草之です。
返信遅れてすいません。
 
> お久しぶりです、「背徳の炎」最新話まで拝見いたしました。
お久しぶりです。
 
> ア、アクセルー!まさかここで跳ばされるとは予想外でした。
> 多分元気でその内出てきそうですが。折角密かにカッコイイ役回りの途中だったのに。

彼はこの後の学園祭編で大変重要な役回りをしてもらうつもりです。
なんて言ったら展開がちょっと読まれてしまうんですけどね(笑)。
 
> カイは相変わらず悩める強者ですね。果てなき問いの先に答えが見つかるのか
> どうか分かりませんが、迷いながらそれでも前に進める事が「人」の強さかと
> 思いますので、彼には頑張ってほしいですね。怪しい口調の中国人なら
> 前にも…と思いましたが厄介さのランクが違いましたな。

いきなり「働くアルー!」言って襲いかかってくるか。
英語が通じずにやむをえず応戦することになるか。
比べるべくもなく(笑)。
カイには悩んでもらいますとも。
 
> 「あの男」の姿も登場してまた新たな局面に入ろうとしていますね。
ええ。やっと動かせるって感じです。
ここからはネギま!だと思わないで読んでもらった方が精神衛生上よろしいかも……?
なんて、そんな大仰な話じゃないんですけどね。たぶん。
 
では以上、草之でした。
ありがとうございましたっ!!
 
 

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草之 敬

Author:草之 敬
ブログは若干放置気味。
『優星』の完結目指してラストスパート中。
 
現在は主に一次創作を書いて活動中。
過去作を供養する意味もあって、いい発表の場はないものかとネットをさまよっている。

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