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2018-12

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背徳の炎  track:38

 
 人の流れは止まらない。
 向かいあう俺とヤツを避けるように、流れは途切れない。
 雑踏と喧騒のなかで、俺は静かに唸った。
 
 「テメエ……」
 
 「ああ、そうだ。一応言っておくけれど、今の僕にはなにをしても無駄だよ。ただの映像でしかない」
 
 「なにが目的だ」
 
 「目的はひとつ。今現在目前に迫っている世界崩壊を阻止すること」
 
 「なに?」
 
 「言った通りの意味だ。君にそれを伝えに来た」
 
 構えを解く。
 ヤツ自身も言っていたことだ。今のアイツになにをしても無駄だろう。
 ムカつくが、今はそれよりも情報だ。
 
 「ずいぶんと丸くなったような気がするけど、どうかな」
 
 「黙れ。この世界にいつまでもいれるほど、俺は気が長くねえ」
 
 「だが、この学園祭だったかな。これが終わるまではいてもらわないと僕としても、そして君も困るだろうね」
 
 「…………さっさと要件を言え。テメエの言いなりになるのは癪だが、今回だけは別だ。駒になってやる」
 
 「ならまず、大きな“ゆらぎ”を起こしてくれ。方法は問わない。それが確認でき次第、次の指示を出すよ。期待と、そして君の帰還を心から願っている」
 
 「ふん」
 
 立ち去ろうとして、あることを思い出し足を止めた。
 振り向くと、まだヤツの姿はあった。
 
 「ひとつ訊いておく」
 
 「なんだい?」
 
 「超鈴音。アイツを殺せばいいんじゃないのか」
 
 「殺してしまっても構わない。だが、それで世界崩壊を阻止できるかはわからない。もし成功したとしても君を始め、その世界へ渡った者はおそらく帰ってこれないだろう。それでもいいなら、博打に出てもらっても構わない」
 
 「……ならいい。それだけだ」
 
 「信じているよ、フレデリック」
 
 「あ?」
 
 「信じているよ。君が本当に殺したいのは僕なんだろう?」
 
 「…………黙れ」
 
 「時間だ。では、また“ゆらぎ”のあとに」
 
 見透かしたことを言い残し、ヤツは消えた。
 俺がするべきことはなんだ。今じゃない。これからだ。
 
 俺は、アイツの殺すために。
 
 ああ、そうだとも。
 文句を言えるわけがない。
 アイツが言ったことはまったく正しい。俺はアイツを殺す。
 だが、それでいいのか?
 本当にそれでいいのか?
 
 もし、世界崩壊が起きれば、間接的にでもアイツを殺すことはできる。
 そして、“アイツ”は死ななくて済む。
 例えその方法が、俺たちが生きた世界を存在ごとなかったことにする方法だったとしても。
 だがそれなら、生まれるはずのない“アイツ”を救ってなにになる?
 俺は、なにがしたい。
 
 「うぜえ……」
 
 ある意味、感謝を向けねばならないだろう。
 癪だが、ごちゃごちゃ考えなくてもいいのは助かる。
 自分だけの思考に没頭できるのはいい。
 
 さあ、“ゆらぎ”を起こす方法を探すとしよう。
 
 「――とは、言ってもな」
 
 “ゆらぎ”というのが時空間の歪みのことだとすれば、生半可なことではそれを発生させることができない。
 俺がこの世界に飛ばされたのもこの“ゆらぎ”が原因だと考えられる。つまり、“ゆらぎ”を発生させようとすれば、俺と全力近い力で戦える相手が必要だということ。今考えられる相手はイノと、ギリギリで坊やだ。だが、そのどちらともと戦うことは難しいだろう。それも、全力でだ。さらに難しいことは火を見るよりも明らかだ。
 
 ――いや、そもそもこれは笑えるな。
 俺は今どうして、アイツの言葉を信じて動いている?
 俺も、それにはうすうす気がついていたことだからじゃないのか?
 
 世界崩壊。
 俺たちの世界の過去がこの世界だとするならば、俺たちの世界にはなぜここにいるような『魔法使い』がいないのか。
 また逆に、この世界の未来が俺たちの世界だとするならば、俺たちの世界にはなぜ神秘・奇跡としてではなく、《技術》として『魔法』が伝えられてしまったのか。
 
 似て非なる世界。
 それはつまり、異なる世界がありえないほどに接近してしまったことを示す。
 パラレルワールドとは、同時間軸から枝分かれした別の可能性のこと。
 俺たちの世界と、この世界がパラレルワールドである可能性は、実は低いのではないか。
 
 パラレルワールドと異世界の違いを簡単に言うと、糸の束だ。
 一束の糸の中で枝分かれした世界がパラレルワールド。
 そもそもが違う束ならば、それが異世界。
 
 総合100%の可能性の塊そのものが世界であり、そのうちの数%がパラレルワールド。
 総合100%の可能性の塊そのものが世界であるなら、もうひとつの100%があれば、それが異世界。
 それ自体が100%なのだ。すべてのものに、抱え切れる許容量がある。
 それを無視して、俺たちは今この世界にいる。
 もとからありえない可能性の出現。100%だった世界は、飽和して耐えきれずに崩壊する。
 
 今ですら、きっとギリギリのレベルで耐えているはずだ。
 
 「……ち、めんどくせえ」
 
 面倒事は嫌いだ。
 
 
 *  *  *  *  *
 
 
 「カイさん!」
 
 「うわっと。ただいま帰りました」
 
 学園祭前日。
 久しぶりに帰って来たエヴァンジェリンさんのログハウス。
 入って早々、ディズィーさんが体当たりのような歓迎をしてくれた。
 
 「心配してたんですよ、どうしてたんですかっ」
 
 「頭を冷やしてました。誰にも会わずに、ボーっと」
 
 「それだけなのに、なんで一週間近くも!」
 
 ボーっとするだけなら帰ってくればよかったのに。心配そうな声で、ディズィーさんが言う。
 そうかもしれない。ただボーっとしているだけなら、帰った方が彼女を心配させなかっただろうし、寝食にも困らなかっただろう。だが、ただボーっとしていたわけじゃない。
 実感した。
 私が扱うこの力は、振るえばただの暴力でしかないことを。
 川を沸きたて、そこにいる魚を殺し、森林を焼き払い、鳥や小動物を追い詰めた。
 
 なんと粗悪な力だろうか。
 
 意志の無い力に命は乗らず、ただ破壊するのみ。
 まだ、ソルの方がよっぽど“力”として《法力》を使っていたのかもしれない。
 躍起になって、あいつが気に入らなくて振るっていた私の力の行方はどこにある?
 どこにだってないだろう。
 
 「……よう。随分へこんでるじゃないか。どうした、色男」
 
 「エヴァンジェリンさん」
 
 「お前がどこかに行っている間、私の家にどれだけ迷惑電話がかかってきたか判ってるのか? ん? 無断欠勤の大馬鹿野郎」
 
 「それは、すいませんでした」
 
 部屋の奥から、長い髪を揺らしながら少女が歩いて来る。
 皮肉っぽい笑みを浮かべながら、下から突き上げるような視線を浴びせてくる。
 
 「私の言ったこと、まだ気にしてるのか? いいじゃないか、暴力なら暴力でも。ただまあ、前にも言ったことだが、それで超のヤツを説得しようってのは片腹痛いがな。クックックッ」
 
 「…………」
 
 「なんだ張り合いのない。反論するだけぼーやの方がちょっとは成長したかな」
 
 「なんの用ですか」
 
 「おや、同居人にも用がなければ話しかけちゃいけないのか? そうだな、からかってるんだよ」
 
 「ふざけたことを」
 
 大口をあけて笑う姿に構っている余裕もない。
 どうにかしなければならないのだ。ソルが超鈴音に辿りついてしまったら――――。
 
 「……そういえば、メイさんの姿が見えませんが」
 
 小言のひとつでも言われるかと思っていた彼女がいない。
 まさかディズィーさんを置いて、一人で前夜祭へ出かけたわけでもないだろうに。
 と、返って来た答えは、意外なものだった。
 
 「メイならぼーやと一緒に私の別荘にいるよ。付き合ってるメイもそうだが、よく体力が持つな」
 
 「模擬戦、ですか?」
 
 「どっちかっていうと子どものケンカだ。メイが売って、ぼーやが買った。それだけだ」
 
 「なんで止めなかったんですか」
 
 「面白そうだったからさ。ま、もう飽きたけどな」
 
 予想し切った答えが返って来た。
 わかりやすいと言うべきか、それとも私が慣れてしまったと言うべきか。
 
 「お前も仲間に入れてもらえ」
 
 「なぜ私が」
 
 「お前も坊やだろう? ククッ」
 
 「……結構です」
 
 「なんだ、つまらんな。ぼーやはともかく、メイならお前の練習相手にもなるだろ?」
 
 「面倒事を押しつけようとしているとしか思えませんが」
 
 エヴァンジェリンさんはそのまま口を尖らせ、ふくれてしまった。
 私の対応がよほど気に入らなかったのだろうか。
 
 「……わかりましたよ。行ってきます」
 
 「勝手に行って来い」
 
 「あ、あの私もついていきますっ」
 
 ディズィーさんをつれて、エヴァンジェリンさんのログハウスの地下へ向かう。
 人形がゴロゴロと転がっている部屋を抜けて、ボトルシップに近づいていく。まあ、実際に入っているのは船ではなく、彼女が『別荘』と呼ぶミニチュアだが。
 さらに近づくと、ふっと視界が白ける。軽い浮遊感のあと、地に足を着く。
 一秒にも満たない時間で、景色は変わった。
 
 薄暗く息苦しい地下室から、燦々として明るく開放的な空間へ。
 後ろにディズィーさんがついて来ているのを確認してから、ゆっくりと歩みを進める。
 結構な距離がある橋を渡り終えると、地面に伏しているネギ君をみつけた。
 
 「はかどっているかい」
 
 「あ、カイさん」
 
 「メイさんなんだけど、どこか知ってるかい?」
 
 「下の砂浜にいると思いますけど。それより、カイさんは……」
 
 「私? エヴァンジェリンからあなたたちの様子を見てきてくれと頼まれたんで、それで」
 
 「そうですか」
 
 あまりにもぐったりとしているので、どうしたのかと訊きたくなったがやめておいた。
 エヴァンジェリンはケンカだと言っていたが、それが本当なら愚痴を聞かされそうだったからだ。
 子どものそれだけでどうにかなるわけではないが、今の私ではどうだかわからない。
 
 「……メイさんは、強いですね」
 
 「彼女は強い。心も、身体も」
 
 「それはもう。口喧嘩でも勝てそうにありません。今の僕じゃ、どうにしたって勝てっこない」
 
 「……君はなんのために戦う?」
 
 「僕の大切な人たちを、守りたいからです」
 
 「それは君が教師だから?」
 
 「そうかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。誰にも傷ついてほしくない。それだけなんです」
 
 「義務的な答えだ。義務で戦えるのは、そういう職業の人たちだけだよ」
 
 ネギ君が不思議そうな顔をした。
 次には、キッとこちらをにらみつけてきている。
 
 「どういう意味ですか」
 
 「義務で戦えるのは軍人だけだ。広く言えば、復讐者も含まれるかもしれない。君はそのどちらでもない。その答えは無意識に嘘が混じっている証拠だよ。それじゃあ、強くなんてなれない」
 
 「なら、ならカイさんはどんな理由で戦ってるんですか」
 
 「私は私の正義のために戦っている。そう信じていた」
 
 「信じていた?」
 
 「そう。私は今、己が力の行方を見失ってしまっている。自分の正義とは何か、それが私にはわからない」
 
 独白だ。
 こんな弱気な言葉を一番聞いてほしくない人の前で、私は独白している。
 ディズィーさんは、やはり不安そうな表情をして私を見ていた。
 
 「外だけは立派に着飾って、中身がからっぽの正義を信じて、私は戦っていた」
 
 「……今の僕には目標があるんです」
 
 「目標?」
 
 「漠然と、だけどもっとずっと強くなること。いつか答えがあとからついてくるくらいに強くなること」
 
 「強さだけでは、答えはついて来ない。答えは悟りです。自己実現の境地。ただ力をつけるだけでは、傲慢なものにしかならない。それを承知で君は言っているのですか?」
 
 「そんなの、やってみなくちゃわからないじゃないですか」
 
 「そうかもしれません。ただ、それは目標ではない。口ばかりだ」
 
 「あなたに、なにが解るんですか。守りたい人が傷ついていくのを、無力と痛感しながら眺めているのがどれほどつらい事なのか!!」
 
 「解りません。ですがあなたも解らないでしょう。なまじ力のあるぶん諦めきれない葛藤と、力が及ばない絶望を」
 
 ああ、きっとこれを見越してエヴァンジェリンさんは私をここに寄越したのだろう。
 ぐったりとしていたネギ君は、膝に手をつきながら徐々に身体を起こし始めた。目には闘志が滾っている。足はどこか頼りないが、しっかりとふんばっている。
 
 「……あなたはきっと、僕と似ている」
 
 「同感ですね。君は私と似ている」
 
 「僕はきっと、あなたが嫌いだ」
 
 「ええ。私を好意的な目で見ることはできそうにありません」
 
 同族嫌悪。
 鏡に映る自分を見るようで、厭になる。
 私の今の顔はどれほどひどいものだろうか。見たくもない。
 ただ、無感情にネギ君を見下ろす。
 
 私に足りないものはなんだろうか。なにが私を悩ませているのだろうか。
 私の正義とはなにを守るための理想だったのか。
 
 「組み手でもしましょうか。軽く」
 
 ネギ君は表情も身体も動かさない。
 ただ小さく、「はい」と返事を返しただけ。
 
 ディズィーさんにせっかくついて来てもらったのに、いきなりこんな話になってしまった。
 振り向き、少しの間待っていてください、と伝えようとした瞬間だった。
 
 「――――ッが!?」
 
 「きゃあっ!?」
 
 背骨が軋む。ピンポイントで肘を抉り込ませられた。
 筋肉の千切れるような、ずれるような音が耳に届く。
 なんの準備もできていない。
 
 不意打ちだ。
 
 気がついたのは、彼の肘が身体から離れた瞬間だった。
 
 「もう、組み手は始まってるんですよね」
 
 「……ええ。そうですね」
 
 だが、それだけだ。
 不意打ちをしたわりには、ダメージが少ない。
 骨に異常はないようだし、筋肉も同様。
 
 音だけが派手な、軽い肘打ち。
 
 ――――だが。
 その態度に腹が立つ。
 ああ、そうだとも。この少年も私同様に悩み、苦しんでいる一人だ。
 だが、だからといって、笑って許せるほど、今の私は人間ができていない。
 
 踏み込み、一閃。
 パカーン、と綺麗な音がして、ネギ君のあごが刎ねた。
 ネギ君はそのまま、また床にぐったりと倒れてしまった。
 これをして、また思う。
 間違いなどなく、私の力は“暴力”でしかないのだと。
 
 ここまできて初めて、自分が自棄になってしまっているような気がした。
 ただ自分の力を誇示して、ろくに手加減せずに振り回して、王様気分になって。
 ただなんの考えもなく、腹にすえかねる臣民を断頭台へ送っていくような暴君。
 
 「カイさん」
 
 「……はい」
 
 「きっと、大丈夫です」
 
 「こんなことをしているのに、あなたはまだ、私を信じてくれるのですか」
 
 「信じてるとかそういうのじゃないんです。うまく言えませんけども、カイさんはきっと大丈夫です!」
 
 ……ああ、もう。
 自分自身が厭になる。このままここから飛び下りれば、あるいは楽になるかもしれない。
 だけど、それこそ厭だ。今のこの状況を続ける以上に、そんな選択はまっぴらごめんだ。
 
 ――――そうだ。
 そうだ、そうじゃないか。
 
 ああ、なんだ簡単だ。
 
 「――ありがとうございます」
 
 お礼を伝えると、ディズィーさんはにこりと笑ってくれた。
 と。
 
 「二人の世界に行ってくれるのは正直言って腹立つけど、まあ、その前にそこで倒れてるヤツどうにかしてあげなよ。泡吹いてるよ」
 
 「えっ? あ、ああっ、ネギさん! 大丈夫ですかっ、しっかりしてください!」
 
 「お兄さんやりすぎ。でも、ま、その顔に免じて許してあげるわ」
 
 「あなたに許してもらうようなことはなにもないと思うんですけど」
 
 「ネギを殴り倒したでしょ。ま、ボクもケンカはしてたんだけど、同じ釜のご飯食べたら友達でしょ? だからね」
 
 「ジョニーさんが言いそうなことだ」
 
 だが、おそらく、ジョニーさんがいたからこそ、この子たちはこうやって立派に育ったのだろう。
 犯罪者として指名手配されていても、あの人は妙な人脈で我々警察機構とも友好な関係を結んでいたりする。
 彼の人柄あってこそのものなのだろう。
 
 飄々として女性に甘いあの性格はどうにかならないか、とは常々思ってはいたが、今度から見る目が変わりそうだ。
 
 「ディズィーさんは、本当に素敵な人だ」
 
 呟くように言う。
 メイさんには聞こえてなかったのか、聞かなかったことにしてくれたのか。
 問い返してくるようなことはなかった。
 
 私の答えも、彼女の中にあった。
 
 さあ、まずは、一歩を踏み出そう。
 
 
 *  *  *  *  *
 
 
 「いてて」
 
 夕食をアスナさんの部屋へ戻って食べている最中もあごが痛んだ。
 噛むたびにずきずきと痛みが広がって、せっかくのこのかさんの料理がもったいなく感じてしまう。
 
 「大丈夫?」
 
 「どーせ、またエヴァちゃんにでもボコボコにされたんでしょ」
 
 「いえ。今日はメイさんと、カイさんとです」
 
 アスナさんは呆れながら「たまにはいいんじゃない?」と、笑っている。
 このかさんは「おいしく食べられへんのは残念やけど、怪我やったらしゃあない」と、優しく微笑んでくれた。
 こういう団欒をしていると、なんとなく、僕は間違ってないんだと思う。
 
 誰かを守る。それは教師だから?
 カイさんは『義務的な答え』だと言った。それは、ヘルマンさんにも言われたことだ。
 ヘルマンさんはさらに言った。『君は復讐者だ』と。
 そして、カイさんもこう言った。『義務で戦えるのは軍人だけだ。広く言えば、復讐者も含まれるかもしれない』と。
 
 この景色を守りたい。
 大切な人を、もう失いたくない。
 
 そんな考えを持つ僕だからこそ、それでいいのかもしれない。
 
 僕の大切な景色を侵したヤツには復讐を。
 だから、だから僕は守るんだ。
 僕は復讐者でいい。やられたらやりかえす。
 
 それが連鎖していくかもしれない。だけど、そうだ。
 父さんのような強さが持てれば。
 
 サウザンドマスターと呼ばれた、父さんのような強さがあれば。
 
 僕にだって、叶えたい願いはある。
 
 「僕、みんなのこと絶対に守りますね!」
 
 「は……?」
 
 「え……?」
 
 思わず、口走っていた。
 アスナさんはジトリとこちらをにらんでいるし、このかさんなんて、なぜか頬を染めている。
 
 「調子乗ってんじゃないわよ、こんガキャ~ッ!!」
 
 「い、いたたたたっ! いたいいたい! 痛いです、アスナさん!!」
 
 「仲ええなあ」
 
 ……うん。
 守ろう。
 この景色を。
 いつまでもこうやって笑っていられる世界を。
 
 僕はもっと、強くなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
               track:38  end
 
 
 
 
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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

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『優星』の完結目指してラストスパート中。
 
現在は主に一次創作を書いて活動中。
過去作を供養する意味もあって、いい発表の場はないものかとネットをさまよっている。

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