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2018-09

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ゴッドイーター 【神偽の剣】 第二話 後編

※ゴッドイーター、GEバースト本編第一部ストーリー(難易度6)までのネタばれが含まれます。
それらが苦手な方は回れ右、もしくはブラウザバックを推奨します。
また、独自解釈などによりアイテムの効果が違うものがあります。
それらも苦手でしたら同じくブラウザバック。
 
それでもおkって方は、『全文を表示』から本編を読み進めてください。
 
 
  「何が起こってるんですか!?」
 アリサが教諭に確認を求めている。
 大丈夫。すぐに何が起きているかを知らせる放送が始まるはずだ。
「音が近い。障壁が破られた……?」
 爆発音は止む気配がない。まるで絨毯爆撃をすぐそばで聞いているような轟音だ。
『――――学園に隣接するエリアの障壁が破られました。襲撃個体はクアドリガとの報告が届いています!』
 やはり、クアドリガ。
 重火器の塊のようなアラガミだ。
「アリサ、神機を取りに行ってください。私は先に現場に向かいます!」
「了解」
 万が一のことも考えて、神機を持ってきていて良かった。
 アリサは生徒たちの合間を縫って保管場所に駆けていく。それを見送ってから、生徒たちに指示を送る。
「校内からは、絶対に出ないでください。今回は現地にすでに私たちがいます。あなたたちが出張る必要はありません。いいですか、もしこっそり着いて来ても、命の保証はしません。戦場に立てば、誰もが平等です」
 念押しだ。今私の話を聞いたばかりで自制が効かずに暴走してしまう生徒がいないとも限らない。
 教諭にこの場の監督を頼んでから、急いで走り出した。
 廊下や階段を走るのはあまりに面倒だ。講堂の扉を開け放ち、そこから飛び降りた。
 校外へ出ると、すぐに襲撃された障壁から上がる煙が見て取れた。かなり近くだ。着地と同時に受け身を取り、速やかに駆けだす。
 武装を確認する。神機ほど効果的な武器を持っているわけではないが、コンバットナイフが一本、スタングレネードがふたつに、超視界剤がひとつだけある。あとは、回復錠も充分に持っている。アリサが到着するまでの時間なら耐えられる。さすがに今回は勢い余って倒してしまう、ということはないだろう。
 2分ほど全力疾走すると、すぐにクアドリガの巨体が目に入った。
 赤錆色をしたクアドリガの装甲は、下半身の鋼のような硬さに比べ、高い位置にある上半身は比較的やわらかい。ただ、懐に潜り込めないほどの弾幕がやっかいだ。
 距離感さえ間違わなければ、翻弄したままアリサの到着を待つことができるだろう。
「……?」
 そこまで作戦を立てたところで、クアドリガの様子がおかしいことに気が付く。
 何かに苦しんでいるような印象を受ける。周囲にはゴッドイーターはおらず、近隣の住人もとっくの昔に避難を終えている。
 誰かに何かをされた、ということではないようだ。
 文字通り、暴れている。住居や障壁に体当たりを続けている。こちらに気付く様子はない。このまま放っておいてもいいのだが、被害は少ないに越したことはない。
 クアドリガが暴れて崩した家の瓦礫を掴む。人の頭ほどあるだろうそれを、クアドリガの顔面目掛けて全力で放り投げた。強烈な音と共に瓦礫は粉々になり、クアドリガはこちらに気がついた。その一撃で私を敵と認識したのだろう、脇目も振らずに突っ込んできた。
 大きく横っ跳びして、その突進を回避する。振り向きざま、クアドリガのミサイルポッドが開くのが見えた。何発ものマイクロミサイルが束になって私に向かってきている。
 足元に落ちていた鉄骨を拾い上げ、槍投げの要領でミサイルに向けて放つ。ミサイルのうちの一発に着弾し、誘爆させることに成功する。その爆熱と爆圧で束になって向かってきていたマイクロミサイル全弾が爆発した。
 そんな私の対処を予想していたのか、ただ本能での行動なのか。クアドリガが爆煙の向こうからもう一度突進を仕掛けてきた。
 もう一度横っ跳びをして、突進を回避する。が、クアドリガは止まることなく、大きく距離をあけて停止した。停止すると同時に、周囲にナパームを展開し始めた。
「トマホークをここで撃つつもり……!?」
 避けても構わないが、私の背後には居住区が広がっている。
 避けるわけにはいかない。
 そう判断したと同時に、距離を詰めるべく前へ走り出していた。
 クアドリガの前面装甲が展開する。バックリと開いたそこから、巨大なミサイルが一本、顔を覗かせた。
 岩や鉄骨を拾っている暇はない。それほどに、トマホークの弾速は速い。
「来いっ!!」
 ナパームの効果範囲ギリギリで、トマホークを待ち構える。
 押し出すように発射されたトマホークは、一瞬で目の前に迫って来た。
 身体をひねり、空中へ身体を流す。地面と私の間をトマホークが飛んでいく。私の身体を通過し切る前に、胴体を片腕で鷲掴む。
「――――ッだりゃあっ!!」
 そのままもう一回身体を捻り、トマホークの進行方向を180度転換させた。
 すなわち、クアドリガの解放された前面装甲部に向かって。
 大爆発。爆風に身体が吹き飛び、地面を転がる。
 クアドリガのもっとも柔らかい部位である前面装甲部内部。そこに、クアドリガの持つ最高火力のトマホークをぶつける。二度とやりたくない荒技だが、効果はテキメンだったようだ。爆煙でハッキリとした姿までは見えずとも、苦しんでいることがよくわかる。
「アリア!」
 アリサか、と思ったが声が低い。
 この声は――――
「ソーマくん!」
 障壁の向こうから、ジープに乗ったソーマくんが突っ込んできた。私の目の前にドリフトで停車すると、ぶっきらぼうに「乗れ」と言われる。言われた通り乗りこむと、ソーマくんはジープを急発進させた。
 振り落とされそうになるのを耐えて、彼に話しかけた。
「いつ帰ってきたんですか」
「正確にはまだ特務は終わっちゃいねえ。サカキの野郎が通信でそのままこっちへ向かえなんて抜かしやがったんでな」
「助かります。このまま障壁の外に誘導しましょう!」
「言われなくてもやってやるよ……!!」
 クアドリガがジープを目にして、それに乗る私を見た。まだ煙がのぼる前面装甲を閉じながら、こちらに向かって猛烈な勢いで向かってくる。
 ジープが障壁を抜ける。クアドリガが続けて障壁を抜ける。
「あまり離れ過ぎるとアリサと合流できません」
「そう言えば、お前神機はどうした?」
「諸事情です。今はアリサが持ってきてくれてます」
「ったく、いつもいつも考えなしで突っ込みやがって……!!」
 私に対して悪態を突きながら、ソーマくんはクアドリガの周りをジープで走り始める。
 トマホークでは捉えきれないと見たのか、クアドリガはミサイルポッドからマイクロミサイルを際限なく吐き出し続けている。ほぼ紙一重でその直撃を避けながら、クアドリガの周りを旋回し続ける。
「後ろにライフルが積んであるだろ? そいつでミサイルを撃ち落とせ!」
「了解!」
 トマホークなら無理だっただろうが、マイクロミサイルなら通常の弾丸でも充分撃ち落とすことができる。揺れる車体の上、座りこんで身体を足で固定する。直撃しそうなミサイルを選んで、ライフルで狙撃し、撃ち落としていく。
「……ちぃ、燃料が切れるぞ!」
 遠征偵察任務に使っていたのだ、燃料くらい、切れて当然だろう。
 あとは時間との勝負だ。いくらソーマくんとはいえども、タイマンでクアドリガを仕留めるのは危険が過ぎる。
「飛び降りろ、神機で対応する!」
 掛け声と同時に私とソーマくんがジープから飛び降りる。マイクロミサイルはスピードを落としたジープに集中して降り注ぎ、一際大きな轟音を出して爆発した。
「くそったれ!」
 受け身を取り、すぐさま態勢を整えたソーマくんはクアドリガに向かって驀進した。
 私も追おうかと逡巡したが、それを堪えた。私が今出ていっても、彼の足手まといになるだけだ。それに、突進だけならまだしも、ミサイルが飛んできたら確実に防御する手段がない。いつまでも回避ができるほど、クアドリガのミサイルは甘くない。
「アリサ、早く……!」
 神機があるソーマくんにしても、それは同じだ。ジープから降りて小回りが効くようになった分、ミサイルの雨を避けながら反撃を繰りだすことができているが、いつまでもそれが続けられるかが問題だ。
「お待たせしました、アリア!」
「結構時間かかってたようですが」
「ごめんなさい、言い訳はあとで。それよりも、あれはソーマですか?」
「そう。特務帰りで直接来てくれたんです」神機を起動させ、剣形態から銃形態へシフトする。「援護射撃を行います。アリサはソーマくんに加勢してください」
「了解!」
 超視界剤を飲み込む。アリサの走っていく背中を視界に収めながら、さらにその先のターゲットであるクアドリガに狙いをつける。狙うのは、背中のミサイルポッド。結合崩壊させられれば、戦闘は一気に楽になるはずだ。
 だが、近接戦闘にアリサが加わったことでクアドリガの動きが予測しづらくなった。
「――――」
 面倒くさい。弾丸を変える。ミサイルポッドを狙うのはやめだ。狙撃よりも、砲撃を選択。態勢を崩し、一気に畳みかける。
 引き金に指をかける。クアドリガの動きが止まる瞬間を待ち続ける。
 数秒後、アリサとソーマくんの剣戟がクアドリガの前足に当たり、動きを止めた。間を置かずに、引き金を引き絞る。
 銃身が跳ね上がるほどの衝撃と爆風。反動で崩れた姿勢をすぐさま整え、銃形態から剣形態へ移行。発射した弾丸を追うように、大地を蹴りあげた。
 吐き出された弾丸は一秒待たずにクアドリガの側面に命中した。見えない巨大な鎚に吹き飛ばされたように、クアドリガの巨体が横倒しになる。
「一気に叩きます!」
 私の声を聞くのと同時、二人は神機を捕喰形態に移行。さらけ出されたクアドリガの腹部を喰い千切った。瞬間、二人の神機が唸りをあげた。アリサはすかさず銃形態に変形、喰い千切った部分に銃身を突っ込んで連射し始めた。
「アリア、来い!」
 ソーマくんがバスターチャージの構えのまま、合図を出してくれる。彼の神機の刃に足を乗せたことに合図を返すと、ソーマくんはそのまま神機を振り抜いた。私は上空高くへ、ソーマくんの刃はクアドリガの腹部をバッサリと切開した。
「これで……!!」
 重力落下に身を任せ、全体重と勢いを刃に乗せる。
 クアドリガの頭をめがけて、落ちただけでも威力のある刃に、さらに私の力も加える。
「はぁッ!!」
 鐘を思い切りついたような音が周囲に響き渡った。ノコギリ状の刃がクアドリガの上半身に喰い込む。ギチギチ、ブチブチ。筋繊維が弾けて千切れる音が断続的に続く。
 神機から伝わる感覚が、クアドリガの活動停止を教えてくれた。
「――――やれやれ」
 刃を肉片から引き抜き、その場で血を掃う。
 ソーマくんはすでにアナグラへ向けて通信を行っていた。残った私とアリサで周辺へ注意を向けておく。
 それにしても、クアドリガが単体でここまで来るなんて、珍しいこともあるものだ。
 ――――単体?
「アリサ。爆発音は一度だけでしたよね?」
「え? ああ、うん。私もアリアと一緒にいて、爆発音も一度しか聞いてませんよ」
「おかしくありませんか?」
「おかしい……?」
「……一度の攻撃で、抗体を持つはずの防壁が破られた。アリアはそれがおかしいと言ってるんだ。外見特徴、戦闘特徴、そのすべてがクアドリガ通常種となにも変わらないが、いや、変わらないからこそ、おかしい」
 ソーマがアリサに代わり答えてくれた。その通り。
 通常種のアラガミならば大体がその抗体を防壁に組み込まれ、どれほど強力な攻撃であろうとも、たったの一撃で破れることはない。
 そう考えると、この前のミッションで戦ったボルグ・カムラン。捕喰を繰り返し、頭抜けて強力になった個体だと思っていたが、今考えるとあの膂力はおかしなものだ。
 地面に倒れ伏しているクアドリガを改めて眺める。特に変わったところがない、というのはソーマくんが言った通りなのだが、だがそれでは説明がつかない。
 そのときだった。クアドリガのバックリ割れた腹の肉で何かが動いた気がした。
 二人に声をかけて、ゆっくりと近づいていく。クアドリガは確かに活動停止している。だとしたら、何が動いたように見えたというのか。
 眺めていて気持ちのいいものではないが、抉るように切り裂かれた肉からは、血のように固まったオラクルが流れている。
「…………」
 ぐじゅ、という音を立て、赤い血に混じって拳大の白い塊が姿を現した。
 見逃さず、それをノコギリ刃で取り押さえつけた。
「……蜘蛛、でしょうか」
 ビチビチと肢を動かすそれは、今はもう過去映像資料でしか見ることのできない、絶滅動物である蜘蛛を連想させた。
 外皮は雪のような白で、うっすらと発光しているようにも見える。できるだけ傷つけないようにと思って振り下ろした刃でさえ、その身体をほぼ破壊しているところから、強度はそれほどでもないことがわかる。
「こいつ……」
「ソーマくん?」
「いや、任務先でも見かけたんだが。どういうことだ? なんでクアドリガの中から出てくる?」
 新たな謎は、今まで抱えていた謎を解くヒントにもなりえる。多角的な推理を展開できるからだ。この場合、アラガミの中から正体不明の蜘蛛のようなものが出てきた、ということだろう。ハッキリ言って謎だ。だが、ボルグ・カムランのあの膂力と、今回のクアドリガが一撃で防壁を破壊したことは、これで説明がつきそうだ。
 原因は、この蜘蛛なのではないか、ということだ。
「帰ったら、休む間もなく会議になるでしょうね」
「だろうな。おそらく、殲滅作戦の会議になるはずだ」
「――――っひ!?」
 ソーマくんと何気なく会話していると、アリサがひきつった悲鳴を上げた。
 急いで振り向くと、クアドリガの抉られた腹からぞろぞろと白い蜘蛛が血の代わりだと言わんばかりに流れ出てきていた。
「離れて!」
 神機を銃形態へ変形させ、瞬時にバレットを換装する。砲撃用の弾丸から、局地凍結弾へ。
 バガん!! 爆発とともに極低温の爆風が着弾点一帯を覆う。
 パキパキと乾いた音を響かせながら、凍った空気中のチリが晴れていく。
 肉の色や、クアドリガ本来の赤褐色の装甲が、蜘蛛のせいで白一色に染まってしまっている。なんて数だ。
「持って帰ってサカキ博士に調べてもらいたいところですが、ダメですね」
 青い蜘蛛は、間もなくバラバラと霧散してしまった。もし、今まで誰にも知られることなく蜘蛛が生き残っていたとして、はたしてその蜘蛛はアラガミに対抗できるほどの力を持っているのだろうか。現代兵器ですら、まともに戦えていないというのに。
 だとすれば、この蜘蛛は何なのか。
「……っおい、アリア!」
「はい?」
「くそっ、服脱げ!」
「へえっ!?」
 わけもわからないまま上着を脱がされると、やっとなぜソーマくんがあれほど焦っているのかを理解した。
 治りかけていた傷口から出血している。それも、結構な量だ。
「すいません……」
「お前はさっさと狼凰高校で治療してもらえ」
「アリサ、ここ頼んでもいいですか? もし蜘蛛が出てきても、慌てずモルター系で焼き払うかどうにかしてください」
「いいから、アリアは早く治療してもらってくださいよ!」
 結局、二人に心配をかけるだけかけて、最後まで現場にいることはできなかった。
 それにしても、ほとんど開くことなんてないくらいまで回復していたはずなんだけど、やっぱり無茶しすぎただろうか。
 
 
「それじゃあ、ソーマ。まずは報告から聞かせてもらうよ」
「ああ。結果を言うと、新種のコンゴウはいなかった。確かにコンゴウが複数体いたが、特別不思議な行動を取っていたとは思えない。――が、移動方向は、あきらかにこちらに向かっていた。今回のことと、少なからず関係があると見て間違いない」
 会議室はしん、としている。
 これから来るであろう大規模作戦を前に、誰もが緊張しているのだろう。
「それで、昨日のクアドリガのことなんだけど。白い蜘蛛がクアドリガの内部から溢れ出てきたとか……?」
 サカキ博士のその質問には、私が答えた。
「はい。拳大の大きさで、それ単体では脅威とは思えません。しかし無数に存在するそれらに襲われれば、どうなるか。そもそも、襲ってくるかどうか」
「ふむふむ、蜘蛛か。では現在の地下施設周辺の状況を教えてくれないかな?」
 情報部の部長が立ち上がり、まとめられた情報をすらすらと読み上げていく。
 アラガミの数に劇的な変化は見られず、またその場を動こうとしないことも同様。やはり、地下施設周辺に何かがいると断定して間違いない。とのことだ。
 うろうろと歩きまわりながら、サカキ博士はずっと唸っている。今まで見てきたアラガミの行動から逸脱した、明らかな異常。今はそれが危機的状況でもあると理解しているとはいえ、彼の表情はどこか楽しげだった。
「こうは考えられないかな。白い蜘蛛はアンテナなんだ」
 サカキ博士の言葉に、その場にいた誰もが驚きで黙りこんだ。そんな反応を気にする風でもなく、彼は飄々と話を続ける。
「白い蜘蛛は、地下施設内部に巣食うアラガミの一部ということだよ。それを埋め込まれた他種族のアラガミは、地下施設のアラガミに操られてしまう。アリア君やソーマの報告から、それがある程度の強化を伴って行われているとしたら、どうだろう? ちょっとこじつけっぽいけど、辻褄は合うだろう?」
「アラガミを操るアラガミ……。そんなモノが存在するのですか?」
 信じられない、といった表情でツバキさんは言った。言ってから、ハッとして恥じるように顔を伏せてしまった。アラガミに対して常識は通用しない。それをここにいる誰と比べても、劣っていないほどに理解しているだろう彼女がつい口にだしてしまうほど、確かに信じられないことではある。
「しかし、その蜘蛛自体が弱いものだとアリアが言っていました」
「彼女はこうも言った。無数に存在するそれらに襲われればどうなるか、と。そうでなくとも、運よく口から捕喰された蜘蛛がアラガミの体組織の中から蝕む可能性だってあるんじゃないかな?」
 ツバキさんはサカキ博士の説明になるほど、とうなずいていた。
 わからないことではない。しかし、こうやって情報を吟味することも大事なことなのだ。ちょっとした疑問でも口に出して損はない。
「アラガミはそれぞれ神の名を与えられていることは皆、知っているだろう?」
 会議室の端に設置してあるターミナルを操作し、サカキ博士はある資料情報を提示した。
「僭越ながら、今回は僕が名付けさせてもらうとしよう」
 ――クトゥルフ神話。
 架空の神話体系として、もっとも新しいものだと言われている。神話なんてほとんどが架空のものだとは思うけど、このクトゥルフ神話ができたのは、近代のことらしい。
 ただ、そう思えば、現代と近代には大きな隔たりがある。
 アラガミだ。
 それの出現を境に、明らかに世界は豹変した。たった五十年前以降の資料が、映像や写真でしか残らず、実物はほぼ消え失せた世界。とすれば、近代にできたはずのクトゥルフ神話も、あるいはこの世界に限っては“本当の神話”なのかもしれない。
「迷宮の神、アイホート。これからは、この地下施設内に潜伏するアラガミを【アイホート】と呼称することにしよう。同時に、おそらくアイホートが操っている白い蜘蛛のことを、かの神性が持つものとして【雛】と名付けるとしよう。さて、敵性新型アラガミの呼称を決めたところで作戦会議といこう。ツバキくん、バトンタッチだ」
 ツバキさんがぐいっと前に出た。
 彼女は隠す様子もなく、厳しい顔をしている。
「今回の作戦は、どのような指揮を取ろうとも犠牲者が出てしまう、無謀な任務になってしまうだろう。それは集結しているアラガミの数から、誰もが予想していることだろう。アイホートを倒せば周囲のアラガミも倒れるとは限らない。全戦力を以ってしての、殲滅戦だ。新型のゴッドイーター、アリアとアリサを小隊長に最奥部強襲部隊を二小隊編成し、その他のゴッドイーターで外周殲滅戦を行う。防衛班は万が一に備えアナグラ待機だ。出し惜しみはするな。同時に無理はするな。無理だと直感した瞬間に撤退しろ。態勢を立て直せ。死ぬな。死ねば希望は見えてこない。具体的な作戦は、全部隊編成後にもう一度一斉ブリーフィングを行う。作戦決行は明日○一○○時。夜闇にまぎれ、一気に決着をつけるぞ!」
 この場にいる全員が威勢よく返事を返す。
 自分の部隊に今回の会議で決まった概要を伝えに行こうとしたところで、ソーマくんに呼び止められた。なぜか、彼の隣にはタツミさんも一緒にいた。
「どうしました?」
「ソーマがお前と自分のところの新人を預かってくれって頼んできたんでな。俺は別に構わないんだが、アリアの方にも確認が必要だろ?」
「そうですね。今回の任務は前線が多いに越したことはないのでしょうが、新人を前線に出すには不安が多いですからね」
「おう。任されたぜ」
 この作戦で、一体どれほどの犠牲が出るのか。もちろん、ゼロであってほしいとは思う。だからこそ、私はアキラくんをタツミさんに預けるのだ。誰も死なせたくないといえば、それは私の傲慢以外のなにものでもないのだろう。けれど、許されるのならそう願いたい。誰も欠けることなく、またこのアナグラで暮らす。
 毎日が死と隣り合わせだったとしても、私たちは笑って生きていられる。
 私たちが戦っているのは、アラガミじゃない。
 このクソッタレで、残酷なほどに解りやすい世界と戦っているのだ。
 
 
 一○三○時。
 作戦開始まで、あと二時間半。
「今回、アキラくんには防衛班に一時的に異動してもらいます。防衛班班長のタツミさんにはすでに了解を取ってあるので、作戦前ブリーフィングは、防衛班の方へ集合しておいてください」
「え?」
「なにか問題がありますか?」
「いえ。前線は少しでも多い方がいいと思ったんで、俺も駆り出されるのかと思ってました。それで、防衛班に回されたのが意外で」
「だからといって、防衛班の仕事は楽ではありません。タツミさんの講義を受けたことがあるならわかると思いますが、我々討伐班とは違い、作戦の自由度はかなり制限されますから」
 それでは、と仕切り直し、部隊編成に戻る。
 小隊編成を二隊。私が小隊長を務める部隊は、コウタ、ジーナさんの三人。アリサが小隊長を務める部隊には、ソーマくん、ブレンダンさんの三人。防衛班のうち、特に優秀な二人を引っ張ってくることに抵抗はあったが、タツミさんが許可してくれた。
 異議申し立ては特になく、あとは出動まで待機ということになる。各々が装備の確認をし始めるなかで、私は一人、医務室へ向かった。横腹の傷は大丈夫かだけを最後に確認しておかなければならない。
「大丈夫よ。なんなら、回復錠を数個飲んでおくといいわ。もうちょっとマシになるでしょう」
「ありがとうございました」
 処方された回復錠をその場で飲み込み、自室へ戻った。
 リッカに神機のメンテナンスの依頼をメールで出してから、ぼすん、とベッドに倒れ込んだ。考えることは、この作戦でどれほどの知った顔がいなくなってしまうのか。あのアラガミの数だ。負傷者がゼロで済むわけがない。
 そんなのはいやだ。焦燥感のようなものが胸に湧き起る。心臓が黒く焼き爛れていくような感覚。厭だ、ともがく手足と、どんどん早くなる鼓動。まるで、バースト状態に陥ったような快楽的苦痛が全身を襲う。どうすれば誰も死なずにいれるのか。
 
 簡単だ。殺せ。殺せばいい。殺し尽くせばいい。殺戮。殲滅。塵一つ残さず、焼き払ってしまえばいい。アラガミを喰い尽してしまえばいい。この手で。この腕で。この神機で。殺せばいい。焼き払えばいい。喰らえばいい。
 心臓を焼いていた炎が、黒く染まっていくイメージ。勢いがあって鮮やかな赤から、ねっとりと粘着するような重く絡みつく黒へ。重く、深く、昏く、手を伸ばしても意識の水面から出られることはない。引きずられるように、重く、深く、昏く。
 ――――ダメ。ダメだ、助けて……っ!!
 
「――――っはぁ!!」
 勢いよく上半身を起こした。寝汗で服がビチョビチョに濡れてしまっている。息も荒い。時間は、まだ一時間ほどしか経っていない。目まぐるしいと思ってしまうほどの速度で周囲の状況を確認して行く。ふとターミナルに目を移すと、メールがきていた。
 リッカからだった。『メンテナンスは無事終了。任務前に確認に来て』とのことだった。着ていた服を脱いで、シャワーを浴びる。もうほとんど着ることのなくなったフェンリル支給の制服に、久しぶりに袖を通す。久しぶりに着た制服は、少しだけ胸のあたりがキツくなっていた。
「帰ってきたら、新調ですね」
 呟く声は誰に聞こえるはずもなく、部屋の中に虚しく消えていった。
 
 
「注目! 作戦を説明する!!」
 フェンリル極東支部に所属する、ほとんどのゴッドイーターが出撃口に集まっている。人だけでなく、神機も並ぶとこれほど壮観だとは知らなかった。
「今回のターゲットは、完全新型アラガミ【アイホート】だ。そのアイホートだが、おそらく、アラガミ包囲網の中心部である地下施設跡に潜伏していると思われる。そこで問題になるのが二点! まず一つ目は、アラガミ包囲網。目測、約50体の大型アラガミの包囲網を抜けなければ、地下施設跡にすら辿りつけないことだ。二つ目は、その地下施設自体だ。中に他のアラガミがいないとも限らない上に、視界・戦闘可能域の確認が取れていない。もし、戦闘可能域が確保できなかった場合、即時撤退。フェンリル本部に出張中の橘サクヤを介し、核兵器の使用を要請。アイホートを地下から無理矢理引きずり出すことになる。距離がそこまで離れているとはいえないアナグラにも、核の影響がでないとも限らない、非常に遺憾な任務になるだろう」
 最悪、そうなるのは仕方のないことだろう。
 だけど、そうはさせない。たとえ広さが戦闘可能域に達していなくても、私は進む。
 そう決めた。そうすると決めたんだ。
「この問題のリスクを減らすために、地下施設突入部隊を編成する。突入部隊アルファチームをアリア、コウタ、ジーナ。ベータチームをアリサ、ソーマ、ブレンダンで構成する。それと、新人は全員アナグラ防衛班に回ることになっている。いいか、お前らが喰い逃したアラガミがアナグラを襲う。新人や、外部居住区の住民を喰い散らかす。想像しろ。お前らにかかってくるのは、称賛や歓喜の声ではない。憎悪にまみれた呪詛だ。それらを踏み潰せ。喰い散らかすのは我らゴッドイーターだ。アラガミじゃない。決死しろ。戦え。お前たちは強い!!」
 夜中だということもお構いなしに、神機使いたちは吼えた。
 自らを奮い立たせるために。今だけは恐怖を隠すために。
 このクソッタレな世界に、ひと泡吹かせてやるために。
 
 作戦概要は単純だ。
 殲滅部隊に割り当てられた極東支部所属のゴッドイーター約7割で、アラガミ包囲網を一点突破。この際、殲滅隊には挑発フェロモンを投与。アラガミの注意を引きつけ、突入部隊、つまり私たちの部隊を地下施設へ向かわせる。もちろん、私たちは偽装フェロモンを投与して、だ。
 私たちが地下施設へ到達した時点で信号弾を打ち上げる。そこでフェイズ1が完了。フェイズ2へ移行する。
 殲滅部隊は襲ってくるアラガミを、文字通り殲滅。地下施設への出入り口を固める部隊と、アナグラ方面へのアラガミの進行を食い止める部隊、そして遊撃部隊の3中隊に分かれての行動に移る。
 突入部隊はアイホートの捜索、および討伐。どちらか一方が見つけた場合、すぐさまそちらをフォローしに向かう。アイホートを撃破後、地下施設内に爆弾を仕掛け、地上へ戻り信号弾を打ち上げた時点でフェイズ2が終了。ラストフェイズに移行する。
 殲滅部隊と協力しつつ、負傷者を優先して撤退を開始。KIA判定を出された者は、後日回収班が出向かうことになる。
 アナグラ付近まで撤退を完了し、もう一度信号弾を打ち上げ、地下施設を爆破してこの任務は終了となる。
 明け方には、任務が終わることになるだろう。
「さあ、行きますよ」
 アナグラの出撃口から、ゴッドイーターを乗せたバギーやヘリが出撃していく。少し遅れるかたちで、私とアリサの部隊が出発する。前方数キロ先を走るバギーの土煙が地平線を歪ませている。
 偽装フェロモンのせいだろうか。一緒のバギーに乗っているはずのコウタやジーナさんの存在が、今にも消えてしまいそうなほど希薄に思えてきた。気を抜けば、どこにいるのかわからなくなってしまいそうだ。
 この分なら、きっとアラガミ包囲網も突破できるだろう。
 ――戦闘が始まったようだ。銃声やアラガミの咆哮、ゴッドイーターの雄叫び。
 バギーを乗り捨て、それぞれがそれぞれの神機を掲げ、走りだした。戦闘の渦中を、無言で走りぬけて行く。戦っている人から、怒声のような励ましが飛んでくる。「死ぬなよ」「やり遂げてくれ」「頑張れ」「しっかりやってこい」「負けるな」「また会おう」
 ――「いってらっしゃい」
 走る速度を上げた。分厚い包囲網を抜けると、戦闘もまばらになる。さらに速度をあげた。あっという間に地下施設入り口へ辿り着き、後続の施設入り口を固める部隊が到着したのを確認した後、信号弾を打ち上げた。
 地下施設の入り口を見る限り、そこまで荒廃しているようには見えない。
 薄暗くてよく見えないが、なかなかに広い空間のようだ。奥に行ってもそれが続いているかはわからないが、クアドリガの横幅分はあれば、戦闘するには充分な広さだと言える。まあ、狭いことは狭いのだが。
 全員に目で合図して、潜入する。偽装フェロモンが切れる前にアイホートを発見できれば一番いいのだが、そうもいかないだろう。あと10分もしないうちに偽装フェロモンの効果も切れる。探す時間を考えれば、ギリギリか、切れて少ししたあとに発見できるかくらいだろう。
「すいません。索敵お願いします」
 アリサに言って、私たちは予定通り、二手に分かれた。
 電気はところどころ生きているらしく、数十メートルごとくらいで電灯が点滅していた。アラガミの気配は感じないが、嫌な空気が漂っている。
 水滴が落ちる音と、電灯の点滅する音、足音が反響して聞こえる音。そのすべてが、雛が動く音に聞こえて仕方ない。
 精神がガリガリと削られていく。一歩進むごとに、得体のしれないものに全身を徐々に絡め捕られていくような、不気味な感覚。
 階段を見つけ、さらに階下へ降りて行く。
 音はさらに少なく、光はより少なくなっていく。脳の処理する情報がどんどんなくなっていく。それにともなって、感覚がどんどん鋭くなっていく。
 どれほど潜って行っただろうか。ようやく、最下層らしいフロアへ到着した。偽装フェロモンの効果はとっくに切れている。思った以上に進んでいない。
 通路を進んでいくと、一際開けた場所に出た。構造からして、フードコートだったようだ。錆び付いたテーブルやイスがところどころに散乱している。戦闘をするなら、ここが一番しやすいだろう。
 テーブルやイスが散乱してはいるが、天井はどうだろう。崩れる心配はないだろうか。
 ――見上げて正解だったのか。それとも、見上げず死んだ方が正解だったのか。
 天井を埋める白い蟲。その塊の中央に、比べ物にならないほど巨大な白い塊があった。
 繭のような胴体に、刃のような多脚。女性のような巨大な半身が、繭にめり込むようにぶらさがっている。
 その体躯の大きさは、ウロヴォロスにも匹敵しうる。
 さまざまなアラガミを見てきて、これほど生理的に拒否したくなるようなフォルムを持ったものは初めてだ。瞬間、女性体がぎょろりとこちらを見た。
 マズイ。後退、と叫ぶよりも早く、巨大なアラガミが落下し始めた。
「――――っさがれ!!」
 驚きで固まった喉を、引き裂くように叫んだ。
 コウタとジーナさんが素早く反応し、私に続いて後退する。
 刹那、広場の中央に白く巨大な塊が落下してきた。爆発音のような着地音。舞い上がる溜まりに溜まった埃。雨が降って来たような音をさせながら、無数の雛を引き連れ、アイホートが私たちの目の前に全容を現した。
「でっか……! ウロヴォロスもこんなにないって!」
「歪ね。さて、まずはどこを撃ち抜きましょうか……」
「油断しないでください! 相手の出方がわかりません。コウタはモルターの弾丸も用意しておいてください」
 集合命令をアリサの小隊に向かって送信する。間もなく合流するだろう。
 問題は、目の前のアラガミ【アイホート】だ。艶めかしい女性体の下半身は、白い繭にめり込んでいる。羽化する前、サナギから這い出てくる蝶を想像すればわかりやすいか。その白い繭からは、何本もの刃のような脚が生えている。
 床には先ほどまで積もっていた埃ではなく、雛で一面を白く染められていた。踏めば潰れそうな雛とは違って、踏まれれば潰れてしまいそうなアイホートの巨体が、この広場を狭く感じさせていた。
 その時だった。女性体が、何かに気付いたように私の方を凝視した。来るか、と身構えたが、その様子はない。しばらくじっとにらめっこをしていると、足元がざわつきはじめた。
「足元留意! アイホートにだけ気を取られないでください!」
 ざわつきの原因は、もちろん雛だ。
 音だけで背筋が凍るようだ。気持ち悪い。――だが、この雛の山を越えて行かなければ、アイホートには届かない。遠距離攻撃だけで倒せるほど、きっとあのアラガミは生易しいものじゃない。
 魔法でも使えれば、こんな蟲吹き飛ばせるだろうに。
「攻撃、開始!」
 宣言と同時、コウタとジーナさんの弾丸がアイホートの繭部分を貫いた。えらく脆い。まさかあの開いた穴から雛が大量に出てくるのではと思ったが、杞憂だった。ならば、この雛はどこから出てきたのだろうか。
 考えていても埒が明かない。床を蹴りあげ、たかられる間もなくアイホートに接敵した。いやに簡単だ。刀身を縦に振り上げ、繭部分を切りつけると、容易く切り裂くことができた。まるで雪を裂いているような感触に、斬ったこちらが戸惑ってしまう。治癒能力が高いのか、と思えば、そうでもなさそうだ。
 しっかりとダメージは通っている様子だし、どういうことだ。
 もしかして、私たちはこのアラガミを過大評価しすぎていたのだろうか?
 何体もの強力なアラガミを従えている強大なアラガミだと、虚勢の威圧に知らず圧されてしまっていたのだろうか。そんなことがあるのだろうか。いや、だが、虎の威を借るとも言う。このアラガミは、差して強力な個体ではないということだろうか。
 と、足元にいる私を振り払うためだろうか、アイホートが地団太を踏み始めた。まるで複数個のギロチンの真下にいるように、刃状の多脚が連続で振り下ろされる。これはこれでなかなか凶悪な攻撃ではある。近接型のゴッドイーターはこれに悩まされる可能性は高い。
 しかし、やはり最も厄介なのは雛だ。わざと噛みつかれるような愚かな真似はしないが、群がって来るスピードと物量から、精神的にクるものがある。銃形態の神機からモルター系の弾丸を吐きだしながら、丁寧に処理していく。
 雛一体一体なら、そこまで苦労はしないだろう。この物量あっての雛だ。
「埒が明かない……ッ!!」
 集合命令は数分前に出したはずだが、さすがにここに来るまで時間がかかるか。
 アリサのインパルスエッジがあれば、まだ楽に戦えるかもしれない。この量は異常だ。
「……ッ、雛は私に任せて、二人はアイホートを狙ってください!」
 神機をフルスイングすれば、風圧で雛は吹き飛ばされて勝手に潰れてくれる。広場を走りまわりながら、コウタとジーナさんへ雛が向かって行かないよう、雛を潰して回る。広場を半周したところでアイホートの方へ視線を向けると、今まで見えなかったアイホートの上半身、つまり女性体の背中が見えた。こういうことを考えるのは間違っているとは思うが、惚れ惚れするような、艶やかで瑞々しい理想の流線を描いている。嫉妬を覚えてしまいそうになるほど、その背中は美しかった。
 ――――だからこそ。
「……な、ぁ」
 生理的嫌悪感は、絶対のものになった。これが戦闘状態でなかったのなら、あんなもの見たくもない。この世にあんなものがあるなんて、信じたくもない。今目の前にある現実を、ズタズタに切り裂いてしまいたくなる。“こんなものはなかった”と、事実を消し去りたい。
 そこは、素直に褒めておこう。
 さすがアラガミだ、と。
「気は進みませんが……」
 資料用として、携帯してきた小型カメラに“雛の産み方”を記録した。
 肉眼でそれをもう一度確認する。不安が募る。これは本当にこの世にあっていいものなのだろうか。得体の知れない概念的な何かが、頭の上からぶちまけられたように全身を這いまわる。ぞわぞわ、ざわざわ。手足がしびれるような錯覚が、現実を蝕み始める。戦いたくない。出来ることならば、もう二度と近づきたくない。
 ――ばり。
 だが、ここでこのアラガミを斃さなければ、被害は増える一方で、こんな信じたくもない現実がこの世に留まり続けることになる。
 ――めり。
 毀す。この現実を。
 斃す。この荒ぶる神を。
 ――ぶち。
 斬り裂く。この刃で。
 撃ち抜く。この弾丸で。
 ――穿ち、雛は背負われるように這い出る。
「アリア! 合流します!!」
「アリサ!」
 状況は一変する。アリサ、ソーマくん、ブレンダンさんの小隊が広場に駆け込んでくる。
 二小隊、計六人の神機使い。これで勝てなければ嘘だ。
「アリサ、コウタ、ジーナさんはアイホートを。私とソーマくん、ブレンダンさんで雛を相手にします! 各員、できるだけアイホートの背中には目を向けないよう注意してください。見てしまえば理由はわかりますが、あんなもの一生見ずに過ごした方がいいくらいですからね……!」
 神機を振るう風圧で百近くの雛が吹き飛び、叩きつけられ潰れる。
 銃撃によるアイホートへの攻撃も、よく通っている。
 この調子なら、問題なくアイホートを斃すことができそうだ。やはり、私たちが過剰評価しすぎていたらしい。このアラガミは単体ではそう強くはない。あの刃状の多脚は危険といえば危険だが、他のアラガミと比べると注意する点は少ない。
 このまま押し切る……――はずだった。
「――――あれ?」
 ぶちん、と音をたてながら、私の横腹に劇痛が走った。ボルグ・カムランに破られたあの傷のある場所だ。じゅう、と焼けるような幻聴。クアドリガと戦ったときに開いた傷口が、もう完全に治ったと思っていた傷口が、このタイミングでまた破れた。
 そうじゃない。
 劇痛に混じって、泥が肌を這うような気持ち悪さが襲ってくる。
 ――もうとっくに、私はやられていた。
「が、ァ……ッ!!」
 いけないと思いつつも、膝を崩してしまう。アイホートが唸り、雛は私目掛けて群がって来る。服をめくり上げ、傷口に視線をやった。案の定、私の血で赤く染まった雛が横腹から半分ほど顔を覗かせていた。それを怒りに任せて引き抜き、最上級の回復錠を素早く飲み込んだ。体内のオラクル細胞に働きかけ、傷口がまたたく間に止血され、応急処置が完了した。
「はぁ、はぁっ」
 ソーマくんとブレンダンさんが慌ててこちらのフォローに回ってきてくれているが、どうやら雛の方が先に到着しそうだ。ここは自分で切り抜けるしかないらしい。ベルトポーチから強制解放剤をあるだけ取り出し、すべてを一気に飲み込む。命を吸い取られるような錯覚のあと、全身に力が漲った。体内に火山が生成されたような熱量を感じ、そのエネルギーが全身にくまなく行き渡る。
「だァあッ!!」
 神機の一振りで迫ってきていた雛を一掃する。いつもならそのまま斬り返しを行えるのに、血をなくしすぎたのか、体力がなくなってきているのか、バスターの重さに振り回されるように、ぐるりと一回転してしまう。普通では体験できない力が全身をめぐっているのも確かだが、それ以上に頭がくらくらするし、地に足が付いていない。
 有り過ぎた力を制御するだけの力を入れることができない。
「だけど……、それでも……!!」
 戦わないと、生きられない。
 戦わないと、斃せない。
 戦わないと、――――!!
「うわあああああああああああああ!!」
 ――なんだ? 今私は何を思ったんだ?
 何を考えて、何を考えないように叫んだんだ?
 考えない。そんな思考を走らせている暇があったら、目の前の敵をどうやって斃せばいいかを考えなければ。
 息を吐き、たったの一歩の踏み込みでアイホートの懐に入り込む。
 チャージクラッシュの態勢から刃を寝かせ、縦に振り下ろすところを横に薙ぎ払ってチャージクラッシュを放つ。延長された刃がアイホートの多脚のうち三本を絡め取り、弾き飛ばす。自然、態勢が崩れたアイホートは地面に伏した。
 再び、チャージクラッシュの態勢。地面を蹴り、身体を中空へ舞い上げ、そのまま捻りを加えて勢いをさらに増す。遠心力、重力、体重、すべてを集約したチャージクラッシュをアイホートの女性体に叩き込んだ。肩口から、袈裟がけにバックリと腹まで引き裂く。大量の返り血を浴びながら、体温が冷めていくのを感じた。バースト化が切れていくのが実感できる。
 肩で息をしながらバックステップを踏む。アイホートは、あれだけの攻撃を受けておきながら、まだ立ち上がろうとしている。息を整えながら、真っ白な目の前のアラガミを眺める。正直舐めていた。
 確かに、アイホートは個体では弱いだろう。しかし、その実支部を総動員しなければ討伐に向かうことすらできないほど、組織としての強さを持っている。今でも、地上では何人もの同僚や後輩や先輩が戦い、倒れて、死んでいるのかもしれない。
 こんなところで、こんな身体で、弱音を吐くんじゃない、私。
「うぅ……ぉぉおぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「よせ、アリア! お前は撤退しろ!!」がっ、と肩を掴まれる。振り向くと、ソーマくんの顔が近くにあった。フードに陰った真摯なまなざしで、だけど言葉は乱暴に叫び散らしていた。「お前はもう足手まといだ! さっさとここから出て行け!」
 自分でもそんなことくらいわかっているつもりだ。それを人から言われると、どれほどイラつくか、彼は知っているのだろうか。知っていても知らなくても、彼はそういう言い方しかできないことを、私はよく知っている。
 ――だからこそ、その言葉には逆らわなければいけない。
「戦えます。逃げません」
「逃げるんじゃねえ。撤退だ!」
「退きません!!」
「退け!!」
 平行線。
 と、思われたところに、アリサがやってきた。固まると狙われるのは解り切っているのに、それも厭わない様子で、彼女は私の前に立った。
「死に急ぐ私を止めたのは、あなたです」
 ……ああ、そういうことになるのだろうか。
 アリサのその一言だけで、私は自分の感情に蓋をした。
 ここは、こうでもしないと誰も彼もが死んでしまう。
「撤退します。すいません、私が冷静じゃありませんでした」
「わかったなら早く行け! きっちり仕事はして帰る。お前も、死ぬな」
「……まったく、優しいですね。指揮はまかせました、ソーマくん」
 コウタやジーナさんのフォローを受けながら、広場の出入り口へ急ぐ。しかし、止血したとはいえ、バースト状態が切れ、そのうえ体力のない身体がうまく動いてくれるはずもない。いつもは軽く感じる神機も、今だけはずっしりと重みを感じてしまう。
 やっと出入り口にまで辿り着く。数が減る様子もない雛と、未だに暴れまわるアイホートを一瞥してから、来た道を戻っていく。
 ――みんなは撤退しろと言いはしたが、地上に出れば、おそらくまだアラガミとの戦闘は終わっていないだろう。戦闘に巻き込まれて、私が生き残れる可能性はどれくらいだ? そもそも、戦闘に巻き込まれずに撤退できる可能性はどれくらいだ?
 本当に、この足を地上に向けてもいいのか。
 銃声、剣戟、雄叫び。「ここから先は行かせるな!!」ソーマくんの叫ぶ声が聞こえる。それぞれがそれに応え、攻撃はより一層激しさを増していく。その音が、私の足を絡め取る。その叫びが、私の心を揺さぶる。
 このまま本当に撤退して、いいのだろうか。
「戦う体力は、もうないんですよね……」
 だからこそ、このまま戻って戦闘に参加したとしても足手まといになってしまうだろう。
 だからこそ、このまま地上へ撤退しても戦闘に巻き込まれ死んでしまうかもしれない。
 だとしたら。
 はたしてどっちが私にとっての最善の選択なのだろうか。
 この地下施設に留まっていたとしても、雛が迫って来るだろう。もしかしたら、小型アラガミが襲ってくるかもしれない。
 行き場も逃げ場もない。
「――逃げるな」
 地上へ向いていた足を止める。
「――逃げるな!」
 神機を握り直す。ない力を込める。
 ベルトポーチから、回復錠、O・アンプル、レーションをありったけ取り出して飲み込む。誰がどう見ても無茶だと言うだろう。満身創痍の身体に鞭打って深く重心をさげ、神機を構え直した。
 息を深く吸い、吐きだす。
 そっと腕輪に手を置いて、自分の中のアラガミへ語りかける。
【サァ、喰ライニ行コウ】【アノ、神ヲ】【私ノ手デ、アノ神ヲ】【サァ、斃シニ行コウ】
「神機、強制解放……ッ!!」
 心臓が弾ける。心拍数は人の限界を超えて、全身に闘争の血液を送り始める。
 視界が徐々にハッキリとしてくる。靄がかったように薄暗かった地下施設は、真昼のような明るさに見えてくる。音が徐々にハッキリとしてくる。こもったように滲んだ音は、いつの間にか透き通った水のように聞こえ始めた。
 感覚が、覚醒する。
 全身の熱で身体が溶けてしまいそうなほどに、血液が加速する。骨がすべて鉄心に変わってしまったかのような、関節がすべて焼け石に変わってしまったような、肉がすべて炎に変わってしまったかのような。
 全身を紅蓮の闘志に変えて、力が漲ってくる。
 我が畏怖を焼き尽くせ――……!!
「う――――お、あッ!!」
 全速で通路を駆け抜け、広場に踏み込むと同時にアイホートへ向かって跳躍する。
 防御をする暇も与えずに、ちゅうぶらりんに繋がっていた右半身を神機で喰い千切る。着地を確認するよりも数瞬早く、銃形態へ移行。振り向きざま、アイホートの顔面に向かって引き金を引いた。その弾丸が着弾するよりもまだ早く、神機を剣形態へ移行。着弾と同時に懐へ踏み込んだ。
「お・お!!」
 床を抉り取りながら、全力で神機を振り上げる。アイホートの女性体下腹部が鮮血で赤く染まる。肉と血が広場全体に飛び散る。ビチビチと活きのいい生々しい音が広場に響くのと同時、アイホートからも慟哭があがる。
「一斉攻撃、手を休めないで!!」
 みんなの様子も見ないで、ただ指令を飛ばす。神機を再び構え直し、処刑台が並んでいるようなアイホートの足元を後ろに向かって駆け抜ける。刃状の多脚が薄皮一枚のところを次々と切り刻んでいく。大雑把に避けながら、一番後ろの脚めがけ神機を横一閃に薙ぎ払う。
 叫びをあげながら、アイホートは重い繭を地につけ伏した。低くなった繭の上へ飛び乗り、高い位置から全員の姿を確認する。どうやら、誰も欠けた様子はない。安心する暇もなく、アイホートが立ち上がった。
「ちぃ……っ!」
 かなり脆いクセに、なんというタフネスさだろうか。
 真っ白だった巨大な体躯も、もうほとんどが赤く染まりかけているというのに、まだ活動を停止する様子はない。それどころか、まだ余裕があるようにすら感じる。ただ弱いだけではない、このアラガミの底の無さ。感服の念すら抱く。
 だが、こっちも負けていない。攻撃手段が足元と雛だけのアイホートになら、余裕を持って対処することができる。確かに、生理的嫌悪からくる精神的疲労はかなりのものだが、そんなものは闘志で塗りつぶしてしまえば問題ない。
 神機を捕喰形態に移行し、足元の繭めがけて振り下ろす。ずるっ、と吸い込まれるように神機が繭を貫く。――瞬間、ビリッ、と不快な感覚が神機を通って私に流れ込んできた。
「――――っく」
 捕喰には成功したのだろう。解放時間が延長されたことは良く解る。
 急いで神機を引き抜くと、燃え上っていた身体が、さぁっと一気に冷めていった。無数の雛が、神機にまとわりついている。まるでソーマくんの神機のように、真っ白に染められている。
 神機を投げ飛ばしたい衝動を抑え、一振りでほとんどの雛を神機から引き剥がすことに成功した。が、残った雛が私めがけて迫ってくる。
「くそっ、つぶれろ! つぶれろっ!」
 手で払いながら、神機を振り回しながら、雛を潰していく。
 ようやく全てを潰し切り、再び反撃に移る。右半身を失った背中に向かって踏み込み、人間でいう背骨あたりを真上からバッサリと斬りつける。返り血と一緒に、数匹の雛が飛び散る。それを払いつつ、今度は横一閃に背中を薙ぎ払う。同じように雛と血が飛び散る。
 それでも、アイホートは倒れない。ひるみはするが、すぐに行動を再開する。コウタがスタングレネードを投げても、元々それほど視覚は優れていないのか、あまり効果があったようには思えない。
「弱点はないのか……!!」
 下からソーマくんの唸るような叫びが聞こえた。
「このままじゃジリ貧ですよ……っ」
 アリサもそれに続くように弱音を吐く。
「ここまで粘るとは……、しつこいッ!!」
 ブレンダンさんが苛立たしげに吐き捨てる。
「こんな蟲になんか殺されたくねーっつーの!!」
 必死に弾を吐きだし続けるコウタが叫ぶ。
「でも、徐々に圧されてるのは確かよ。覚悟を決めなきゃいけないかもね」
 最後に、ジーナさんが意見を述べてそれぞれの愚痴は終了。
 全員がもう一度、戦闘へ集中し始めた。
 これだけダメージを通しても、倒れる様子を見せないのは、苦痛だ。
「なにか、あるはず……っ」
 切り刻み、撃ち貫き、喰い散らかし、それでもアイホートは暴れ続けている。
 ――おかしい。タフネスという理由だけでは、もう説明がつかない。これはおかしすぎる。いくらなんでも、底なしすぎやしないか……?
 こんなに脆いのに、こんなに攻撃しているのに、まるで不死身じゃないか……!!
 もうどれほど戦っただろうか。まだバーストの感覚は残っているということは、それほど経っていないのだろうとは思う。
 どれほどダメージを与えても、このアラガミにはダメージらしいダメージになっていないのではないか、という懐疑。ここから生きて帰れるか、という不安。赤々と燃やした闘志も、昏い絶望に押し潰されようとしている。
 嘲笑うように、だがそれが神たる在り方なのだと主張するように、アイホートは立ちはだかる。勝てない。その認識が心に刻まれていく。
 もう、どうすることもできないのだろうか。
 見えない空を懐かしむように、天井を見上げた。
 薄暗い天井に、しかし――――
「え?」
 小さく、見逃してしまうのも仕方がないほどの小ささで、青い光が揺らめいていた。
 急いでベルトポーチから超視界剤を取り出して、カラカラに乾いた喉に無理矢理流しこんだ。ほどなくして、視界がクリアになっていく。同時に、あの青い光の正体も。
「……なるほど、してやられたわけですか」
「おい、アリア! ぼーっとするな、攻撃来るぞ!!」
 ソーマくんの注意で、重い身体を引きずりながらギロチンのように振り下ろされる脚を避けた。剣形態から、銃形態へ移行。全員に命令を出す。
「10秒で構いません! 私を全力で守ってください!」
 5人は私の言葉を訝しみながら、言葉の強さに希望を感じてくれたのか、一斉に動き始めた。ソーマくんとブレンダンさん、アリサが前衛に立ち、アイホートを食い止め、コウタとジーナさんが雛の進行を食い止めてくれている。だが、全員もれなく疲れ切っている。チャンスは一度。
 外せば、後はない。
「……――――」
 息を止め、天井に張り付く青い光に向かって銃口を向ける。
 目測で20メートル強の高さの天井に、50センチ弱の青い光がぽつんと光っている。この大きさなら外すことはないだろうが、念のためもう一度深く息を吸い、吐き、止める。
 ――静かに、引き金を引いた。
 弾丸は一瞬で天井に届き、青い光を貫く。
 途端に、アイホート……、アイホートと思っていた“白く巨大な雛”が断末魔を上げながら、床に倒れ伏した。今までのタフネスさが嘘だったのかというほどに、あっけない幕切れだ。床一面に這っていた他の雛も、次々に霧散して行く。
「どうなってやがる……?」
「上を見てください」
「上、ですか……?」
 私の声に、全員が天井を見上げる。
 そこには、青い光が虚ろな光を放っていた。
「なんだ、ありゃ?」
「アイホートですよ」
「え? でも、アイホートっていうのはこの大きいヤツじゃないのかしら?」
「ええ、確かにこいつもアイホートです。アイホートの雛、という意味ですが」
「……このデカブツ、コアを持ってないのか」
「そういうことです、ソーマくん」
 説明は帰路でする、と断りを入れ、爆弾を設置して大急ぎで地上へ向かう。
 その道中、だるさが残る身体から少しでも気をそらすために、アイホートの本当の内容を話すことにした。――つまり、アイホート本体は、元々それほどの大きさを持つ個体ではなかった。主だった小型アラガミであるオウガテイルやコクーンメイデン、ザイゴートなどと比べても、まださらに小さな、つまりは超小型アラガミだ。初めて群体レベルで発見されたアラガミよりも、もう少しだけ成長しただけの大きさしかこのアラガミは持っていない。
 もちろん、弾丸一発で機能を停止するような脆弱な存在でしかないのだが、だからこそ、フェンリルのアラガミを察知するレーダーにも引っ掛からない。そこからは時間をかけて繭を造り、雛を量産すればあとはサカキ博士が推理した通りの手順を踏めば、今回のアラガミによる大軍勢が出来上がるというわけだ。
 おそらく、私たちが必死になって戦っていた巨大な個体は、いうなれば雛のプラントなのだろう。そして、その存在感ゆえに本体の存在を隠すだけのカモフラージュ役にもなるというわけだ。
 なかなかに狡猾なアラガミだったが、幽霊の正体見たり、というヤツだ。
 地上へ戻ると、待機していた部隊と合流してから信号弾を打ち上げた。これで無事にフェイズ2が終了したことになる。報告を聞けば、交戦していたアラガミのほとんどが機能停止し、戦闘はほとんど終わったも同然だということらしい。
 それは喜ばしいことだが、一体、何人の戦死者が出てしまったのだろうか。
 ――もっと早く、私がアイホートの正体に気付けていれば。
 罪悪感が、疲労よりも深く身体を蝕む。どうして、私はこうも遅いのだろうか。
 バギーに揺られながら、雲ひとつない空を見上げる。押し潰されてしまいそうなほど澄みきった、遠く青い空。アナグラの装甲壁が見えたところで、信号弾が上がる。それから遅れること数十秒後、背中のずっと遠くから、ずしん、とお腹に響く振動が走った。
 作戦はこれにて終了。
 ああ、終わったのか。
 
 ――――そう思ったのが最後、私の意識は昏い闇の底へ落ちて行った。
 
 
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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

コメント

随分久々に来てみたら更新されていたでござる
お久しぶりです

しばらGEBから離れていたんですが、戦線復帰しました
GEBはモンハンと違って時間が掛からないのがいいですね

前編でのアキラ君はアリア隊長の隠れファンでした、という事実発覚にワロタ
まあ主人公はバーストになってカッコ良さが際立ってるし仕方ないかなー?
アリアさん、たくましいしねえ
というか雷ボルグカムランの上半身吹き飛ばすって凄い・・・・・・
それと>>背中で爆雷 ありすぎて困る

後編では・・・・ちょっと隊長、ミサイル投げ返すって凄まじすぎです
あと戦闘後のソーマ君「くそっ、服脱げ!」発言に
「こいつやっぱりムッツリだったのか」と納得しかけてしまった・・・・ごめんよソーマ君

アイホート(巨大雛)はヴィーナスみたいのをイメージしながら読んでました
あれはエロい、うんエロい
本体は脆弱そのものだったんですねぇ・・・・・なるほど面白い
ゲームではこういうの出せないでしょうが(バランス的に)二次小説ならではの引っ掛けですね
なまじゲームを知ってるからこそ騙されました、面白かったです

私は復帰してからDLを中心にプレイしているんですが
普段使っているのはアサルト、ロング、シールド
・・・・・・なんで新規アラガミは二体ともこれに引っかからないん? 畜生・・・・・
あと強化パーツ「射撃の名手」強すぎです
グボ剣、グボ盾はこうして取り残されていくのか・・・・・・上記の装備なので最初から使ってないけど

それでは長くなりましたが、次も楽しみにしていますのでよろしくお願いいたします

セレスティア様への返信。

ども、草之です。
 
> しばらGEBから離れていたんですが、戦線復帰しました
> GEBはモンハンと違って時間が掛からないのがいいですね

最速で1分切るクエストもありますしね。
あのスピード感がくせになりますよね。
 
> 前編でのアキラ君はアリア隊長の隠れファンでした、という事実発覚にワロタ
> まあ主人公はバーストになってカッコ良さが際立ってるし仕方ないかなー?

あの(無印)主人公がバーストで存在感までバースト。
で、ですが、アキラ君がブラッドサージを使っている手前、こちらでは完全にリンドウさんは死んでいます。
レンなら、もしかしたら……?
 
> アリアさん、たくましいしねえ
> というか雷ボルグカムランの上半身吹き飛ばすって凄い・・・・・・
> それと>>背中で爆雷 ありすぎて困る

ノコギリ型の刀身は他に比べて重い、と読み取れる説明が公式サイトのソーマのキャラ紹介に書いてあったような気がしました。(確認中……)。ソーマの刀身が特別重い、とも読めますが、こちらではノコギリ型の刀身は重いという設定でよろしくお願いします(笑)。
それはそうと、アリアは馬鹿力設定です。後述のミサイルにもそれが関係してたり。
 
> 後編では・・・・ちょっと隊長、ミサイル投げ返すって凄まじすぎです
> あと戦闘後のソーマ君「くそっ、服脱げ!」発言に
> 「こいつやっぱりムッツリだったのか」と納得しかけてしまった・・・・ごめんよソーマ君

ソーマムッツリ説はいったいどこから流布されてしまったのか。(ヘイ、シユウカモンカモン)
ミサイル投げ返しは、とあるゲームのPVを見ていたら思いついてしまった次第です。
実にスタイリッシュ! に書けていたと思いたい。
 
> アイホート(巨大雛)はヴィーナスみたいのをイメージしながら読んでました
> あれはエロい、うんエロい
> 本体は脆弱そのものだったんですねぇ・・・・・なるほど面白い
> ゲームではこういうの出せないでしょうが(バランス的に)二次小説ならではの引っ掛けですね
> なまじゲームを知ってるからこそ騙されました、面白かったです

そうですね。ヴィーナス巨大化+足を刃化して真っ白にした姿を想像してもらえれば近いかと思います。
ゲームで出たら、一定時間ごとにランダムで小型・大型アラガミの増援が無限に……。
巨大雛に一定以上のダメージを与えると本体がステージのどこかに出現。とかですかね。
うん。鬼畜。
 
> 私は復帰してからDLを中心にプレイしているんですが
> 普段使っているのはアサルト、ロング、シールド
> ・・・・・・なんで新規アラガミは二体ともこれに引っかからないん? 畜生・・・・・
> あと強化パーツ「射撃の名手」強すぎです

DLミッションは面白いのが結構ありますよね。
グボグボパニックはPSPを投げたくなった。けど、貫通弾を使ったら思いのほかあっさり勝てたという始末。
明鏡止水とかも割と無茶ぶりだった気がします……。
あと、「とある」コラボミッションは……あれはどうにかならなかったのか。
カリギュラさんマジMS(またはAC)。
ちなみに、草之がいつも使っているのはスナイパー、バスター、タワーです。
銃はよく変えるんですが、バスターとタワーは一回も変えたことありませんね。アバターカードを見ても、ショート・ロング、バックラー・シールドの使用回数がゼロでした(笑)。偏り過ぎ……。
「射撃の名手」はかなり強いらしいですね。反動キャンセル弾使えばトリハピのスタミナもそれほど気にならないでしょうし。でも草之は作ってなかったりする。
 
では以上、草之でした。
ありがとうございましたっ!!
 

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Author:草之 敬
ブログは若干放置気味。
『優星』の完結目指してラストスパート中。
 
現在は主に一次創作を書いて活動中。
過去作を供養する意味もあって、いい発表の場はないものかとネットをさまよっている。

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